——-豊田さんには(昨年)8月、女性誌MOREの連載企画「パラアスリートのなりたい私」に登場していただきました。今回は集英社の元旦新聞広告へのご出演でしたが、撮影はいかがでしたか?
楽しかったですね。新聞広告ということで、モノクロで写真を撮っていただくというのが初めてで新鮮でした。
——-2020年が近づいてきて、取材の数も多いのでは?
年末は、東京スカイツリーでの2020年1000日前のイベントで、一ノ瀬メイさんや高桑早生さんたちと、「やっと会えたね」と盛り上がりました。SNSではつながっていたのですがお会いしたのは初めてで。次は一緒にご飯にいこうねと約束しました。
——-2018年を迎えるにあたっての抱負をお聞かせいただけますか?
2017年はいろいろな意味で勉強することが多い年でした。2018年はアジアパラ競技大会があります。アジパラはいろいろな競技が一度に行われる4年に一度の総合大会で、開会式や会場、選手村の雰囲気も含めて特別なんです。私は2014年に初めて参加したのですが、初めてメダルが取れなかった大会でもあり、だからこそ、今年は絶対にメダルを取りたいと思っています。そしてアジパラの前には、日本での国際大会もあります。この大会も、昨年悔しい思いをしながらも多くを学ぶ場になりました。リベンジというのではないですが、日本でメダルを取る、ホームで勝つ、ということにこだわって、パラリンピックを想像しながら頑張ってみたい、と思っています。
——–雑誌とか、本を読まれることはあるのでしょうか?
MOREなど女性誌はよく読んでいますよ、美容院とかではとくに(笑)。漫画も好きでときどき読んでいます。今後は文章力を養いたいので(笑)、本を読むことにはチャレンジしたいと思っています。
——–集英社の「みらい文庫」は、子供たちに未知の世界を知る入り口を作れたらと、名作から漫画のノベライズまで、あらゆるジャンルの作品を親しみやすく、わかりやすく伝えることを目標にしていますが、スポーツも、子供たちにこそ、その素晴らしさや感動を分かち合ってもらうことに意味がある気がします。
本当にそう思います。小さいうちからパラスポーツに親しんでもらい、学んでおくことが将来につながるのだと思います。自分にはそれがなくて、大人になってから学びました(笑)。逆に、子供の時は、みんなと同じじゃないといや、というのがあって、特別扱いされるのが好きじゃなかったですね。
———豊田さんの場合、それが今の強さにつながっている気がします。お話ししていて、壁のようなものは全く感じません。
気持ちの上ではそう感じてもらえるのが一番うれしいんです。こちら側にもっと親しんでもらいたい、という気持ちがあるから、それ(壁)を感じさせない態度、話し方をする。どう接したらいいかわからない、という方もあると思うのですが、わからないでしょうから、普通に接していいんですよ、と、こちら側から発信していく必要があると思うんです。私の場合は、無意識にそうなっちゃってますけどね(笑)。
Profile
とよだ まみこ●1992年4月11日生まれ、福岡県出身。生まれながらに左ひじから先がなく、パラバトミントンのクラスはSU5(上肢障がい)。バトミントン強豪校である精華女学高等学校、筑紫女学園大学を経てヨネックス入社。パラバトミントン世界選手権シングルスで2013年優勝。2015年準優勝。