8月28日に開幕し、12日間の日程で行われるパリ2024パラリンピック競技大会に臨む日本代表選手団の結団式が、16日に都内で開かれた。秋篠宮ご夫妻も出席されたなか、森和之日本パラリンピック委員会会長から田口亜希日本代表選手団団長を通じて、開会式で旗手を務める石山大輝(陸上)と西田杏(競泳)に団旗が授与された。さらに日本選手団のスローガン『挑め、自分史上最強。』が発表され、田口団長は「選手団が一致団結して士気を高めるために合言葉として使っていきたい」と語った。
結団式第1部では国歌斉唱後、主催者代表として森会長が挨拶。出席した選手たちに向けて「皆さんの躍動する姿そのものが価値であると同時に、日本の将来を担う子どもたちをはじめ、多くの国民に感動と勇気を与え、そのことが多様性を尊重する共生社会実現への大きな原動力になると確信している」と述べた。
そして出席された秋篠宮さまが「日頃からの成果を存分に発揮されることを期待しています。そしてスポーツを通じて、パリに集う人々との交流を深めることにより、国際親善に努められることを願っています」と激励され、退席される際には旗手の石山と西田にご夫妻が言葉をかけられた。
第2部では、選手の投票で決定した日本代表選手団のスローガン『挑め、自分史上最強。』が発表された。「お互いが高め合い、ベストパフォーマンスを発揮して、それぞれが今まで以上の自分に出会えるような大会にしたい」と西田。石山は「この言葉を胸に、世界の壁、自分の壁に挑んでいきたい」と述べた。
さらに結団式後に行われた記者会見では、旗手としての思いをそれぞれこう述べた。
「大変な光栄な大役をいただいたと思っている。一挙手一投足注目される存在になったのだと思うと同時に、開会式では真っすぐに歩けるように頑張りたい」(石山)
「今回は主将がいない中での旗手ということで、より一層責任感があるなと思っている。開会式では日本代表選手団を盛り上げていけるように、しっかりと務めたい」(西田)
また、開会式でのパフォーマンスについて聞かれると「今回は秘密ということで」と石山。西田は「まずは自分たちが楽しむことだと思うので、綿密に練っていきたい」と、そろって笑顔で答えた。
日本選手団は16日までに20競技160人の選手が内定しており、最終的には海外で開催のパラリンピックでは2004年アテネ大会の163人を上回る史上最多となる見込みだ。
大会スローガンは「Games Wide Open(広く開かれた大会)」。田口団長は「多様性や創意工夫に満ちた人間の可能性の祭典であるパラリンピックで、無限の可能性を体現するパラアスリートの魅力を通して、より良い社会をつくるための社会変革を生み出していきたい」と語った。
大会は8月28日から9月8日までの12日間、22競技549種目でメダルが争われる。日本選手団は、過去最多だったアテネ大会での52個を上回る53個以上を狙う。
写真・ 文/斎藤寿子