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2018.03.30 未来への扉 パラアイスホッケー PR

Chapter 2

2020年への足がかりに!

平昌2018冬季パラリンピック。上原大祐が見た“景色”。

3月9日から18日まで、アイスホッケー日本代表として平昌2018冬季パラリンピックに挑んだ上原大祐選手。トップアスリートとしての現役最後のチャレンジは、同時に「2020年以降の日本」を見据え子供たちへのスポーツ普及や障がい者の理解促進など様々なプロジェクトに従事する氏にとっては新しいスタートにもなったという。平昌の地で上原大祐が感じた、これからのパラリンピックのあるべき姿とは。

今後のアイスホッケー日本代表に必要なことが見えた大会

バンクーバー2010冬季パラリンピックの後、一度は引退しながらも、この平昌2018冬季パラリンピックを視野に入れ、日本代表の強化やアイスホッケーの普及に向けて現役復帰をしていた上原選手。臨んだ自身3度目の大舞台は、全敗という悔しい結果。「大いに楽しめた」と語る一方、日本のアイスホッケー界にとっては実にたくさんの課題が残った大会になったという。グループリーグの3戦目、チェコ戦後にミックスゾーンではこう語っていた。

 

「勝って5位決定戦に進出したかったですね。これまでのパラリンピックで5位から下はなかったので。一番の敗因は、こぼれ球をちゃんと拾えなかったこと。仲間がこぼしたパックをどうやったらいち早くフォローできるのか。技術面よりも、チームとしてそこの意識が絶対的に足りなかったように思います」

 

PyeongChang 2018 Paralympic Games

 

そんな中でも上原選手は豊富な国際経験に裏打ちされたインテリジェンスあふれるプレーで観客をうならせ、また時にリンクの上で大声を張り上げながらアグレッシブにチームを鼓舞し続けた。

 

「負けていたとしても、手を止めずに全員が走りきる姿を見せることはすごく大事なんですよ。僕自身、第3ピリオドが一番走っていますから。最後の最後まで、疲れたからこそ相手にぶつかってく意識といいますか。そこも今の日本代表には足りない部分だと思います」

 

日本代表の強化は、上原選手にとって今後も非常に重要な課題になりそうだ。

 

「全試合負けたことで、そこのやる気はむしろすごく高まりました。もっと戦略的に普及プランを立てていくべき。今の部活の延長のような感じから真の日本代表にしなくては。運営側だけじゃなく、僕ら選手1人1人も、これからはプレーに集中するだけじゃなくて、どう広めていくのかも真剣に考えながらマルチに動いていかないと。今うちのNPOでは、そのあたりの選手の意識改革も含めてアカデミーを立ち上げましょうというプランも立てているんです」

 

2020年への収穫と課題を大会期間中に実感した

PyeongChang 2018 Paralympic Games

 

「本当は1つでも勝って帰りたかった」と、笑顔の裏に悔しさをにじませながら本音をこぼした上原選手。しかし、それでもこの平昌2018冬季パラリンピックはこれまで出場した2大会以上の収穫もあった。

 

「以前にもお話ししたように前の2大会は自分がメダルを取るための大会。今回は、もちろん悔しいんですけれど、もっと広い視野で楽しむためにここに来たので。特に、子供たちに何かしらのメッセージを送ることができたらいいなと思っていたので、スレッジに乗る姿を真似しながら応援してくれている子供たちの映像が届いたり、ある車いすの女の子が私たちの試合を見てお母さんに『将来夢を叶えたらまず大ちゃんに言いにいくんだ』って言ってくれていると聞いて、今までやって来た活動が少しずつ繋がってきているなと実感しました」

 

そのように日本屈指のパラリンピアンとして、NPO法人の代表として、今後のアイスホッケー普及活動にまた新たな情熱が湧き上がったという上原選手。一方で、顔認証などのICTを活用しながら社会発展に向けた様々な取り組みをしているNECの社員としての立場からも、「2020年」に向けた課題がたくさん見つかったそうだ。

 

 

「観客用の車いすスペースがしっかり確保されているのは良いもののなぜか段差があったりだとか、トイレのスロープに角度がありすぎるなど、いろいろと2020年に向けて改善しなくてはならない部分も各会場で目についたというか。そのような意見をしっかり発信しなくてはいけないなとあらためて思いました」

 

と、つい我々だと見落としがちな部分を氏ならではの“視点”で明確に指摘してくれた上原さん。2020年というターニングポイントに向けて、このような見解が財産になってくる。

 

『やっていますよ』というポーズではなくて、本当にしっかりと考えられたものを作らなくては。2020年はリスタートであり通過点。そこがゴールになってしまうような取り組みだとダメ。その先のオリンピック、パラリンピックにもつながる取り組みをしていかなくてはいけないと思っています」

 

2020年に向けて参考になった技術やホスピタリティ

PyeongChang 2018 Paralympic Games

 

もちろん改善点だけはない。今回の平昌2018冬季パラリンピックでは、今後2020年に向けてヒントにすべきポイントも多かった。

 

「各会場や選手村で、選手やスタッフがつけるパスの読み込みがめちゃくちゃ早かったのには驚きました。パスをしっかりかざさなくても首から下げているだけでピッと反応するんですよ。ものすごく優秀だなと思いましたし、来たる2020年はNECの顔認証システムによってさらにスムーズな運営ができるようにしたいですね」

 

観客やボランティアスタッフのホスピタリティも、我々日本人が2020年に多くの外国人を迎える上で大いに参考にすべき点だと捉える。

 

「(韓国人のボランティアスタッフたちが)日本語で挨拶をしてくれたり激励してくれるんですよ。日本が近い国だから自然とそうなっているのか、彼ら、彼女らが事前にいろんな国の言葉を覚えて対応しているのかはわかりませんが、これは僕らも2020年に必ずやった方がいいなと。また、観客の皆さんも、国民性もあると思いますがパックがちょっと動いただけで大盛り上がり(笑)。ワァーッと会場が湧くだけで『パラリンピックに来たなぁ!』と思うし、選手はノッていく。アイスホッケー大国で盛り上げ方を知っていたバンクーバーの観客とはまた違った良さがありましたし、単純に『盛り上げること』が実はすごく重要だなということを今回初めて気づきました。ルールがわからなくても、まずは会場に来てみてパックの動きに合わせて盛り上がればいいんだと。そういうシェアの仕方、観客の作り方も日本に必要だなと感じましたね。2020年は『おもてなし』をアピールしていることもあって各国からの期待値は相当高いと思うんですよ。だからこそ、その後の大会にも良い部分を残していけるような、人で世界を繋ぐパラリンピックにする必要があるんじゃないでしょうか」

 

さらに、上原選手は平昌滞在中にこんなプランも思いついたという。

 

「今回、現地まで友達がたくさん応援に来てくれたんですよ。まだ4回ほどしか会っていない友達まで(笑)。それに、以前に講演会でお会いした人たちも『一気にテレビをつける気になった』『応援する気になった』と言ってくださいました。そう、パラリンピックアスリートの知人や友人がいることって、パラリンピックを見る大きなきっかけになるんですよ。だから今後は、例えばアプリなどを使って選手とファンがもっと繋がれるようなシステムを開発するなど、何らかの形で『パラ友』企画が作りたいなと思いました。まだざっくりとしたイメージですが、 NECでそういう取り組みにもチャレンジしたいなと思っています」

 

今回のパラリンピックで自分の原点に立ち返ることができた

PyeongChang 2018 Paralympic Games

 

そのようにアスリート、NPO法人の代表、そしてNECの社員と、あらゆる立場から見て今回の平昌2018冬季パラリンピックは非常に有意義な大会になったという上原選手。今後の活動に、さらに熱が入りそうだ。

 

「たくさんメデイアの方々が来てくれたことによって今まで以上にアイスホッケーを知ってもらえましたし、そこに自分がいられて、またこうやって発信できる場をいただけたこともすごくありがたいことだと実感しています。また、久々にパラリンピックに戻って、試合をしながら、子供たちと関わりながら、メディアに発信しながら、自分のやりたい活動というのは『氷の上』から始まったんだなと再確認しました。原点にもう一度戻ることができて本当によかったなと思います。と同時に、今までやってきたことをさらに一段階ギアチェンジするスイッチが入りました。これから、忙しくなりそうです(笑)」

 

PyeongChang 2018 Paralympic Games

 

PROFILE
うえはら・だいすけ●1981年生まれ、長野県出身。生まれながら二分脊椎という障がいを持ち、19歳でスレッジ(そり)のアイスホッケーを本格的にスタート。その後日本代表に選出され、トリノ2006冬季パラリンピックに出場。続くバンクーバー2010冬季パラリンピックでは銀メダルに輝く。2013年の現役引退後、2016年にNECに入社。2017年に現役復帰し、平昌2018冬季パラリンピック出場権獲得に貢献した。NECでは障がい攻略エキスパートとして、障害の有無に関わらず、誰もが安全に安心して集える共生社会の実現に向けて、ICTを始めとするNEC技術を活用した取組みに参画。

Photos:Yoshiharu Uehara/Photo Service One  Cooperation:Miharu Araki Composition & Text:Kai Tokuhara

※NECはJPCゴールドパートナー(パブリックセーフティ先進製品&ネットワーク)

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