集英社パラスポーツ応援サイト

  • HOME
  • パラスポ+!について
  • 大会/イベントスケジュール
  • YOUNG JUMP

競技

  • 視覚障害者柔道
  • 車いすラグビー
  • 車いすマラソン
  • 車いすフェンシング
  • 車いすバスケットボール
  • 車いすテニス
  • 車いすカーリング
  • 自転車
  • 視覚障害者マラソン
  • ボッチャ
  • ブラインドサッカー
  • パラ陸上
  • パラ馬術
  • パラ卓球
  • パラバドミントン
  • パラトライアスロン
  • パラスノーボード
  • パラサイクリング
  • パラサーフィン
  • パラカヌー
  • パラアイスホッケー
  • パラアーチェリー
  • パラ・パワーリフティング
  • パラ水泳
  • パラ射撃
  • パラテコンドー
  • パラローイング
  • トライアスロン
  • チェアスキー
  • シッティングバレーボール
  • ゴールボール
SHARE
2025.06.10 車いすバスケットボール 小山大斗 岡田壮矢 車いすバスケットボール 男子U23世界選手権 男子U23日本代表
車いすバスケットボール 男子U23世界選手権

車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載⑤ 世界に挑む若き代表を直撃/岡田壮矢・小山大斗

6月12~20日の9日間にわたって、ブラジル・サンパウロでは23歳以下のジュニア世代における4年に一度の戦い「男子U23世界選手権」が開催される。昨年11月の男子U23アジアオセアニアチャンピオンシップ(AOC)で準優勝に輝いた男子U23日本代表は、アジアオセアニアゾーン2位で出場権を獲得。前回大会の金メダルに続き、2大会連続での表彰台を目指す。この連載では、次代を担う代表メンバーに選ばれた12人をクローズアップ。第5回は、U23AOCでの悔しさと同士の思いを胸に挑む岡田壮矢と、「バスケットは高さだけじゃない」と意気込む小山大斗を紹介する。

同世代に多いクラス3.5の代表争いを勝ち抜いて世界の舞台に上がる岡田壮矢(左)と小山大斗。今大会ではクラス3.5の3人が揃ったラインナップにも期待が寄せられている

岡田壮矢(クラス3.5)
「仲間の分も後悔しないプレーでメダルを持ち帰る!」

昨年11月のAOCで、岡田壮矢はそれまでにはなかった新しい“自分”と出会った。予選リーグで最も重要とされていたイラン戦、日本は1Qではダブルスコア以上の差をつけられ、相手の圧倒的な得点力に苦戦しながらも、2Qで挽回。3Qで再び引き離されかけたところをなんとか踏ん張り、4Q終盤で逆転に成功した。幾度もの苦しい局面を乗り越え、日本は強豪を撃破したのだ。それは、U23世界選手権出場獲得に向けて大きな1勝となっただけでなく、ほとんどが国際大会初出場の若手たちには、大きな自信を与えた。

 

そして、その試合での岡田の活躍はすさまじかった。3Qには20得点中、一人で12得点をたたき出すなど持ち味であるシュート力を遺憾なく発揮。チーム最高のフィールドゴール成功率53.3%で岩田晋作(4.5)に次ぐ16得点を挙げた。課題としてきたディフェンス面でも手応えがあった。

「特に印象に残っているのは、3Qで追いつくかどうかの瀬戸際のなかでエンドワンにした1本。結局フリースローは外してしまったのですが、そういう厳しい場面で決められたのは自信になりました。いつもは緊張することが多いのですが、あの試合では勝つことしか考えていなくて、すごく集中していました。だから“いつもだったらこんなにプッシュできひんやろなぁ”と思うくらい、どんなに疲れていても前に前に車いすを漕いでいる自分がいました。あんなに気持ちの強さを全面に出せたのは初めてで“自分ってこんな強さもあるんだな”と思いました」

 

しかし、だからこそ今でも忘れられない後悔がある。最終日、オーストラリアとの決勝戦だ。それまで予選リーグでは大事な試合では常にスターティング5に名を連ねていた岡田だったが、その日は同じクラス3.5の小山大斗がスタートに起用された。ほか4人は同じメンバーだっただけに、岡田は悔しさを感じていた。

 

ただ岡田にも短い時間ではあったものの、アピールするチャンスはあった。だが、小山が試合序盤から攻防にわたって活躍した一方で、岡田は相手のパワーと速さに対応できない自分を感じずにはいられなかった。結局、その試合のプレータイムは4分40秒にとどまり、岡田は2位通過でU23世界選手権の出場権を獲得というチーム目標達成を仲間とともに喜びながらも、ふがいないプレーに終わった自分を悔やんでいた。

 

「オーストラリアのスピードにちょっとビビッてしまった自分がいて、受け身になってしまった。それでアグレッシブなディフェンスができませんでした。その結果、プレータイムももらえなかった。とにかくディフェンス面で、大斗さんにめちゃくちゃ負けていました」

 

帰国後は、ディフェンスを磨くことに注力してきた。だが、今年2月のオーストラリア遠征では、地元の選手たちと練習試合を重ねたなか、オフェンス面も含めてほとんどの試合で実力を発揮することができずに終わった。ただ、それで気づいたこともあった。

 

「僕はもともとメンタルがブレるタイプで、特にシュートに強く影響されていました。シュートが入れば調子よくプレーできるけれど、入らないとディフェンスにも影響してミスしたり。そうするとどんどんシュートも入らなくなって、負のスパイラルに陥ってしまうんです。それでふと思い出したのが、以前、中井(健豪)ヘッドコーチに言われたこと。シュートを打ったら、それが入っても入らなくても、とにかくすぐに全速力でディフェンスに戻ると。いつもシュートが入らないと気持ちが落ちて、切り替えが遅くなり、ディフェンスでもやられるというのが、自分の悪いパターンでした。だからシュートからではなく、まずは思い切りディフェンスで走って、そこからいい流れを作ろう、と。今はそういう考えでプレーしています」

 

今大会こそ、最後まで自分の力を振り絞って戦い抜く。U23AOCの時のような後悔はもう二度としたくないからだ。そして、もう一つ理由がある。所属する奈良DEERのチームメイトである児島亮太の存在だ。2歳年下の児島とは、ずっとともに汗を流してきた同士でもある。昨年のU23AOCでは、一緒に公式戦デビューを果たした。だが、選考の結果、補欠メンバーとなった児島は今大会の出場はかなわない。その児島の分も、と岡田は思っている。

 

「亮太とか出場できないメンバーもいるので、そういうみんなの気持ちを背負っている以上、しっかりと強い気持ちで戦わなければいけないと思っています。これまで本当にいろいろな方々の支えあってこそ今がある。だからそういう方々の恩に少しでも報いるようなプレーをしたいと思っています!」

 

小山大斗(クラス3.5)
「バスケットは高さだけじゃない!小さくても勝てることを証明する!」

昨年の男子U23アジアオセアニアチャンピオンシップで大きく飛躍した一人が、小山大斗(3.5)だ。なかでもチーム目標の一つとしていた決勝進出に向けて最大のヤマ場となった予選リーグのイラン戦では、相手のスコアラーをマンツーマンで守る重要な役割を果たし、劇的な逆転勝利を呼び込む立役者となった。小山自身も「それまでのトレーニングの成果が出て、大きな自信をつかんだ大会になりました」と振り返った。

一方で、アスリートとして今後にもつながる大きな反省もあった。最終日を翌日に控えた大会5日目、体調を崩した小山はダブルヘッダーのいずれも大事をとって出場せずにベンチから声援を送ることに徹した。翌日の決勝には復帰し、再び持ち味のスピードを生かしたプレーを披露したものの、大会期間中に体調不良を起こしたことについては、やはり悔いが残った。

 

聞けば、U23AOCの直前に行われた北九州チャンピオンズカップで激しく転倒した後からずっと発熱した状態が続いていたという。体調は戻らないまま、U23AOCは気持ちで戦っていたのだ。帰国後も症状が続いたことから、今年2月に大きな病院で診察を受けると、転倒したことによって内臓に炎症が起きていたことがわかった。すぐに入院をして治療に専念し、3週間で完全復帰を果たした。この経験から学んだことは大きかったと小山は言う。

 

「もし、あの時すぐにしっかりと病院で診てもらっていたら、AOCも万全の状態で行けたかもしれないのに、少し良くなっては“大丈夫だろう”と放置したままにしていたんです。そのためにチームに迷惑をかけてしまった。それは、すごく反省しました。だから今では少しでも体調に異変を感じたらすぐに病院に行き、原因を突き止めて対処するようにしています。おかげで今はとてもいいコンディションをキープできています。今大会はパフォーマンスうんぬんの前に、まずは男子U23日本代表に選んでいただいた身として、しっかりと体調を整えて万全の状態でコートに立つこと。そのうえでチームの勝利に貢献できるプレーをしたいと思っています」

 

一方、プレー面でU23AOC後に磨いてきたのが、持ち味であるスピードに加えて、細かいチェアスキルによるディフェンス力。そのために車いすも試行錯誤してきた。昨年12月からは高さを3cmほど低くし、前傾だったクッションをフラットにした新しい車いすに乗ってプレーしてきた。「もともと高さがないのだから、重心を低くして車いす操作やスピード重視でいく方がより自分のパフォーマンスが発揮できるだろう」というのが狙いだった。

 

ところが、大きなデメリットがあった。車いすを漕ぐ際に両腕とタイヤとの距離が近すぎて、かえって操作しづらくなってしまったのだ。慣れもあるのだろうと約5カ月間、低くした車いすに乗り続けてきたものの、やはりしっくりはこなかったという。そこで4月末の強化合宿の後、小山は再び決断した。車いすの高さもクッションの傾斜も、元に戻すことにしたのだ。

 

「腕とタイヤとの距離感は、やっぱり前の車いすの方がフィットしているなと。クッションについては、僕は股関節の可動域が狭いために、特に回転するときにフラットでは動きが限られてしまって遅くなってしまうんです。だから前傾のクッションの方があっているなと。やっぱり自分が最も漕ぎやすいと感じられるのが一番だなと思ったので、U23世界選手権には元の車いすで臨もうと思っています。でも、これもいろいろと試したからこその決断。すっきりした気持ちで自信をもって本番を迎えることができます」

 

今回の“世界一決定戦”の舞台には、世界各国から同世代のトッププレーヤーたちが集結する。高さではとうてい海外にかなわないが、ビッグマンを目の前にしても決して気持ちで負けるつもりはない。自らを“小さな巨人”と称する小山は「高さがなくてもバスケットはやれるし、勝つことができるということを証明したい」と意気込む。ビッグマンに強気で挑む姿勢を貫き、チームに勢いを呼び込みたい。

 

写真・文/斎藤寿子

Tweet
LINEで送る

PREV
NEXT

    RANKING

  • 車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載②  世界に挑む…

    2025.06.07
  • 車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載 ① 世界に挑む…

    2025.06.06
  • 車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載④ 世界に挑む若…

    2025.06.09
  • 車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載⑤ 世界に挑む若…

    2025.06.10
  • 車いすバスケットボール「男子U23世界選手権」直前!短期集中連載③  世界に挑む…

    2025.06.08

パラスポ+!について

パラスポ+!について

>Tweets by paraspoplus
公式SNS

パラスポ+!

  • パラスポ+!について
  • 大会 / イベントスケジュール
  • セブンティーン
  • セブンティーン
  • メンズノンノ
  • ノンノ
  • モア
  • スポルティーバ
  • ヤングジャンプ

競技

  • 視覚障害者柔道
  • 車いすラグビー
  • 車いすマラソン
  • 車いすフェンシング
  • 車いすバスケットボール
  • 車いすテニス
  • 車いすカーリング
  • 自転車
  • 視覚障害者マラソン
  • ボッチャ
  • ブラインドサッカー
  • パラ陸上
  • パラ馬術
  • パラ卓球
  • パラバドミントン
  • パラトライアスロン
  • パラスノーボード
  • パラサイクリング
  • パラサーフィン
  • パラカヌー
  • パラアイスホッケー
  • パラアーチェリー
  • パラ・パワーリフティング
  • パラ水泳
  • パラ射撃
  • パラテコンドー
  • パラローイング
  • トライアスロン
  • チェアスキー
  • シッティングバレーボール
  • ゴールボール
集英社プライバシーガイドライン

©SHUEISHA, ALL RIGHTS RESERVED.