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2025.06.20 デフ陸上 岡田海緒 佐々木琢磨 山田真樹 第22回日本デフ陸上競技選手権大会 山本剛士 北谷宏人 石本龍一朗 生井澤彩瑛 樋口光盛 岡部祐 遠山莉生
第22回日本デフ陸上競技選手権大会

この秋、日本で初めてのデフリンピック開催! デフ陸上日本選手権で最終選考会実施!

5月5日、6日にかけて、聴覚に障害のあるアスリートを対象とするデフ陸上の日本一決定戦、「第22回日本デフ陸上競技選手権大会」が埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開催された。この大会は11月に日本で初開催される「東京2025デフリンピック」日本代表選手の最終選考会にも指定されていた。初日は好天、2日目は肌寒く雨模様と、難しい気象条件の中だったが、選手はそれぞれの目標に向かって果敢なチャレンジをくり広げた。

選手の目線の下に設置された短距離用の「スタートランプ」。赤→黄→緑とランプの色が変化する

聞こえない・聞こえにくい選手が競うデフ陸上では「音」でなく、文字や光など「見て分かる」コミュニケーション方法が使われるのが特徴だ。例えば、会場のあちこちに手話通訳士が配されたり、電光掲示板などが設置される。また、スタートの合図にはピストル音でなく、ランプの色の変化でスタートのタイミングを知らせる「光刺激スタート発信装置(スタートランプ、スタンドシグナル)」が使われる。

聴覚に障害のある選手たちの競技を支える手話通訳士(右)。奥のランプは中・長距離種目のスタートで使われる「スタンドシグナル」

なお、東京2025大会日本代表には国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が設定した参加標準記録をクリアしたうえで、日本デフ陸上競技協会(JDAA)が定めた「選考競技会での優勝」といった選考要件を満たした選手の中から選考される。

 

デフリンピック連続出場を目指す選手たち

前回、2022年のブラジル・デフリンピックでも活躍した選手たちが順当に力を発揮し、デフリンピック連続代表に前進した。なお、ブラジル大会は大会期間中、他競技も含む日本選手団のなかに新型コロナウイルス感染者が増えたことから、選手団全体として大会11日目に途中棄権していた。陸上競技としては競技5日目での棄権であり、代表選手の中にはスタートラインに立つことなく帰国した選手も少なくなかった。東京2025大会でリベンジを期す選手も多い。

 

男子100mはブラジル大会で金メダルを獲得した佐々木琢磨(仙台大学TC)が10秒87で制した。2週間前に股関節の筋肉を傷め、今季初戦となった今大会には不安があったというが、「向かい風1.6mでもフォームが崩れず、いい走りができた。今後が期待できる」と手応えを語った。すでにJDAAが設定した金メダル獲得相当の「ターゲットランク記録」をクリアして選考要件を満たしたため、自身4大会目となる東京2025大会の日本代表にはほぼ内定している。東京2025大会では、「世界新で金メダル」を目標に掲げ、今後はさらに加速力を磨きたいと話した。

男子100mを制した佐々木琢磨(右から2人目)

同400mはブラジル大会6位の山本剛士(コカ・コーラ)が48秒16の大会新で優勝した。シーズンベストでもあったが、「今のタイムでは世界の決勝では戦えないと思う。まだまだ練習を積み重ね、自己ベストを越えていけるように、そして、個人種目でのメダル獲得を目標にしている」と抱負を語った。4x400mリレーでのメンバー入りも有力で、「リレー種目は金メダル獲得をみんなで目標にしている。ブラジルで走れなかった苦しさをぶつけたい」と話した。

 

同200mを制したのは山田真樹(ぴあ)だった。前日の400mは3位に終わっていたが、得意の200mは22秒03で山本、佐々木に競り勝った。「昨日の悔しさを反省して、今日は1位を取れてほっとしている。選手だけが嬉しいのでなく、観客と一つになって一緒に感動して泣いて、喜怒哀楽を共有できるのがスポーツだと思う。昨日はハラハラさせて、今日はウワーと喜べた。これが僕のやり方。納得できるレースになった」と笑顔を見せた。ブラジル大会では100mで7位に入賞したものの、得意の200mは棄権することになり悔しい思いをした。今回の勝利で東京2025大会代表に近づき、「皆さんと一緒にデフリンピングが楽しめるよう、残り半年間でいろいろと準備をしていきたい。ぜひ楽しみにしていただけたら」と活躍を誓った。

 

男子棒高跳びはブラジル大会金メダルの北谷宏人(東京パワーテクノロジー)が優勝した。日本記録(4m63)保持者だが、この日は4mをクリアしたところで自ら試技を終えた。実は昨年11月、練習で肩を脱臼した影響で、今回が復帰戦だった。雨の降る中で不安もあったというが、「しっかり記録を残すことができたので良かった」と安堵の表情。途中棄権はコーチと相談して決めたという。優勝によって東京2025大会代表にも前進し、「しっかり準備して、2連覇できるように頑張りたい。助走距離を伸ばし、世界記録(5m06)を目指したい」と抱負を語った。

男子棒高跳びはブラジル大会金メダルの北谷宏人が優勝

女子では中長距離のエース、岡田海緒(MURC)が400mと800m、1500mの三冠を果たした。「若い選手たちも頑張ってきているので、引っ張っていきたい。その中で1位を取れたのは嬉しいし、全体のレベルアップも図っていきたい」と喜びと共に第一人者の自覚も口にした。ブラジル大会では1500mで銅メダルを獲得したが、本命の800mは無念の棄権だった。今大会には冬季練習で持久力を強化して臨んでいた。勝利により連続出場の期待が高まった東京2025大会については、「まだ半年『も』あると考えて練習を重ねたい。スピードと持久力をもっと磨いて、800mと1500mで金メダルを目指したい」と意気込んだ。

 

夢舞台を目指し、若手も躍動!

日本代表に決まれば、デフリンピック初出場となる若手選手たちも健闘を見せた。まず、男子ハンマー投げはこれまで世界大会で多くのメダル獲得の実績がある日本のお家芸ともいえる種目だが、ブラジル大会金の石田考正(愛知陸協)、同銀の森本真敏(日神不動産)を抑え、筑波大生の遠山莉生が57m61で優勝した。実は昨夏の世界選手権(台湾)では石田が金、森本が銀で遠山は銅だった。「そのリベンジができたので、評価していいかな」と遠山は手応えを口にしつつ、「2日前の練習で越えていた61mを出したかった。メンタルがまだ弱い」と悔しさもにじませた。初のデフリンピック代表に大きく近づき、「金メダル獲得と、(森本の持つ)世界記録(63m71)を出したい」と目標を掲げた。そのために、「フィジカルの底上げをし、身体操作の技術を上げ、メンタル面も試合経験を積んで強化したい」と、さらなる成長を誓った。

ハンマー投げで優勝し、初のデフリンピック代表に近づいた遠山莉生

男子400mハードルでも、岡山大の石本龍一朗が優勝し、デフリンピック初出場に近づいた。「優勝が目標だったので嬉しいが、タイム(56秒69)は大会記録も越えられず、プレッシャーに負けてしまった。もっと場数を経験して、克服したい」と反省した。陸上は中学から始めたが、大学入学時に東京2025大会の開催を知り、昨秋からデフ陸上にも参戦を始めたばかり。「スタートランプ」を使ったレースも今回が2回目だったが、「感覚がだいぶつかめてきた」と振り返った。また、以前は補聴器をつけ口話でコミュニケーションしていたが、デフ陸上を始めてから「トレーニングで成長するには必要」と手話を学び始めるなど、「世界が広がっている」と話す。デフリンピック代表に選ばれたら、「フィジカルもメンタルももっと鍛えて、代表に恥じない走りをしたい。金メダルをとって、日本にいい結果をもたらしたい」と力を込めた。

 

女子では仙台大の生井澤彩瑛が100m(13秒14)と200m(26秒77)を制し、「2種目で1位を取ることができて良かった」と笑顔を見せた。茨城県出身だが、「世界一になりたい」とスプリントのエース、佐々木のいる仙台大を選んだ。今回の二冠でデフリンピック初出場に前進したが、「世界一には今のタイムでは厳しい。筋力をつけて、スピード練習をいっぱいして、速く走れるようにしていきたい」と力を込めた。

 

男子中長距離でも、樋口光盛(大阪陸協)が800m(1分58秒41)と1500m(4分4秒21)の二冠に輝き、初代表に近づいた。昨夏の世界選手権(台湾)では800mで銀メダルを獲得しており、東京2025大会での目標は、「800mで金、1500mでメダル獲得」と力強い。

 

2日間に渡って競う十種競技では岡部祐介(ライフネット生命)が自己ベストとなる5177点を挙げ、優勝した。「(2日目は)雨で難しい条件だったが、自信につながった。次につなげたい」。岡田は元々、400mをメインとしていたが、前回の2022年デフリンピックは代表を逃した。引退もよぎったが、「デフリンピックにもう1回行きたいという心残り」から、「自分の限界を超えるため、1番きつい十種競技に転向を決めた」という。その後、以前から面識のあった十種競技のオリンピアン、右代啓祐選手に自らSNSで連絡をとり、2023年秋頃から練習を共にするようになった。「コーチではないが、いろいろとアドバイスしてもらっている。学ぶことが多く、心強い味方」と話す。代表に選ばれたら、十種競技では日本人初となるメダル獲得を目指す。そのためには、「6000点が必要」と見て、跳躍種目や投てき種目の技術を強化したいと前を見据えた。

 

なお、デフ陸上の東京2025大会日本代表はこの後、JDAAの強化委員会や代表選考委員会で選考され、同理事会の承認を経て日本代表内定選手として発表される予定となっている。

 

写真・吉村もと/文・星野恭子

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