メンズノンノ9月号の連載「TOKYO2020への道」でもすでにお伝えしているように、東京パラリンピック競技の1つ「ボッチャ」の魅力をもっと広く伝えるべく、このたびメンズノンノモデルたちによる「ボッチャ部」がスタート! 初回の練習に参加した遠藤文也、坂田秀晃、ミッチェル和馬の3人を中心に、今後は大会出場もめざしながら活動をしていくのでぜひともご注目を! レポート前編に引き続き、今回はルールをさらに詳しく解説する。
まずはボッチャがどんなスポーツなのかを改めて説明しておきたい。ボッチャは脳性まひなどの重度の障がいを持つ人たちのためにヨーロッパで考案された競技で、国際大会では車いすの選手たちによって行われる。障がいの度合いによって「BC1」から「BC4」まで4つのカテゴリーに分かれており、自力で投球ができない選手たちのための「BC3」ではアシスタントによりサポートのもと「ランプ」という勾配器具も使用されている。しかしながら、実はここ日本では車いすの使用有無を問わない独自の「オープンクラス」もあり、障がいがない人でも出場できる大会があるなど、誰でも「ファンスポーツ」として気軽に楽しめる側面を持っているのが特徴だ。
ちなみに先日、イギリスで行われた世界選手権で、日本は堂々の準優勝!
次に、ルールだ。上の写真がボッチャボールで、素材は革やフェルトなど少し重みのある素材が使われている。チームごとに赤と青に分かれ、「ジャックボール」と呼ばれる白の目標球にそれぞれどれだけ近づけるかを競うスポーツだ。1エンドごとに、このジャックボールに最も近づいた側にのみ得点が入るシステムとなっている。
このように、決められた立ち位置から投球をする。ジャックボールから遠い位置に投げた側の選手が次の投球も続けて行い、相手球や的となるジャックボールをはじきながら自チームに優位な位置どりを追求していく。持ち球をいかに頭脳的に駆使するかがポイントだ。
実は手で投げるのが決まりではなく、ルール上、足で蹴ってもOK。サッカー経験者であればインサイドキックなどで目標球を狙うというのも一つの手なのだ。
投球が進んでいくと、自チームのボールと白のジャックボールとの距離が目まぐるしく変わっていく。時にはミリ単位の差になることもあるので、繊細かつ大胆な投球が求められる。このような戦略的な面白みでいうと冬スポーツのカーリングにもイメージは近く、パラリンピックでは実にハイレベルな頭脳戦が繰り広げられることで人気を博している。
今回ボッチャ部を指導してくれたのは、2016年のリオデジャネイロパラリンピックで日本代表選手のアシスタントも担当した日本ボッチャ協会の新井大基さん。基礎からシチュエーションごとの駆け引きまで様々なテクニックを伝授してくれた。遠藤、坂田、ミッチェルはメンズノンノモデルの中でもとくにスポーツ経験が豊富な3人だけに、飲み込みが早く、練習を重ねるごとに随所にポテンシャルの高さを見せてくれた!
というように、満を持して(!?)、スタートしたメンズノンノ・ボッチャ部。彼らの今後の活動とともに、東京パラリンピックに向けてボッチャの面白さや奥深さを一緒にどんどん掘り下げていこう!
【MEN'S NON-NO web】
Photos:Yuhei Kudo[S-14] Composition & Text:Kai Tokuhara 協力:日本ボッチャ協会