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2018.10.23 MEN’S NON-NO ウィルチェアーラグビー
インタビュー 倉橋香衣(ウィルチェアーラグビー)

ウィルチェアーラグビー・倉橋香衣「車いすになったことで世界が広がりました」

 

2020年の東京パラリンピックに向けて、様々な競技やアスリートの魅力をお届けするメンズノンノの連載「2020年TOKYOへの道」。11月号ではウィルチェアーラグビー・倉橋香衣選手のインタビューを掲載しているが、ここでは本誌ではお伝えしきれなかった内容を軸にあらためて彼女にフォーカス。世界屈指の実力をほこるウィルチェアーラグビー日本代表で、唯一の女子選手でもある倉橋選手のパーソナリティに迫る!

 

───倉橋選手はリハビリ施設入所中にウィルチェアーラグビーの練習を見学されて、その激しさに惹かれて競技を始められたそうですが、ウィルチェアーラグビー用の車いすって、いざ近くで見てみるとかなり無骨なフォルムをしていますよね。

 

選手の中には、「“ラグ車”がかっこいいから」という理由でウィルチェアーラグビーに惹かれて、競技を始めた人も多いと聞きます。でも私は車いすそのものについてはあまりこだわりがないといいますか、ただ“ぶつかり合う”ことが楽しそうだなと思ったんです。

 

───学生の頃は体操をされていて、いわゆるラグビーのようなコンタクトスポーツには無縁だったかと思いますが、そこに魅力を感じたのはなぜだと思われますか?

 

それまでは団体競技以前に球技すら本格的にやったことがなかったので、なぜここまで惹かれたのかは自分でもよくわかっていませんが(笑)、リハビリの一環として水泳や卓球も経験した中で純粋にラグビーが1番楽しかったんです。

 

───実際に競技を始めてみて感じた、ウィルチェアーラグビーの魅力とは。

 

まず全力でぶつかり合える気持ち良さが一番で、次に相手との駆け引きの面白さ。私はボールを運ばない「ローポインター」の選手で、相手をブロックしながら「ハイポインター」の選手が通りやすいよう道を作る役割なのですが、その難しい駆け引きをうまくやれてハイポインターの味方選手がトライを決めた瞬間はすごくうれしいですね。「自分がこう動いたことで、ボールがこう進み、ゴールに繋がった」という一連の流れにやりがいを感じています。

 

───同じチームの中で、明確に役割分担がなされているのですね。

 

そうですね。選手それぞれ障がいの重さも異なり、同じポイントの選手であっても得意・不得意がありますから、自分自身が周りの選手の特性をきちんと理解しながら動いていくというのもウィルチェアーラグビーのみならずパラスポーツ全般の特徴だと思います。

 

───逆にプレーする上で感じている難しさや課題点はありますか?

 

練習できる場所が少なく、毎回チームメイトの方々が苦労して体育館などを探しているのを見ているので、環境面ではまだまだ厳しいところがあるなと感じています。

 

 

───ウィルチェアーラグビー日本代表は8月の世界選手権でも優勝するなど、世界でも屈指の強豪として知られています。そんなチームでプレーしていることに対してはどのように感じていますか?

 

プレッシャーはもちろんありますけれど、それすらも楽しめていると自分では思っています。

 

───東京パラリンピックもいよいよ2年後に迫っていますね。

 

私自身はまだパラリンピックに出たことがありませんので、大会自体について想像しようとしてもなかなかできないのが本音といいますか。まだまだイメージとしては漠然としています。ただ、出場したいという思いは強いですし、東京なら家族や友人にも観に来てもらえるのでそこも大きなモチベーションになっていますね。

 

───ここから本大会までの2年、どのように準備をしていきたいと考えていますか?

 

やはり男性選手に比べたらスピードもパワーも劣っていますし、一瞬の判断ミスも多いので、プレー面ではまだまだ課題だらけ。そこを少しでも克服していきたいですね。あとは健康面。とにかく体を壊さず、ということを心がけています。

 

───倉橋選手は大学3年生の頃にトランポリンで頸髄損傷という大きな怪我をされて、我々には想像出来ないくらいの苦悩があったと思います。その逆境を乗り超える上で糧になったことがあれば教えていただけますか?

 

なんでしょうね(笑)。実は私、車いす生活になってもそれほど落ち込まなかったんです。怪我をした後しばらくは寝たきりで、そこから体が起こせるようになり、初めて自分でご飯を食べたり歯が磨けるようになり、といったように、少しずつできることが増えていくことがむしろ楽しくて。当然、家族や友人たちの支えがあってこそでしたけれど、なんでも楽しんでやっていこうという考え方が良かったのではないかと今では思います。

 

───怪我、入院、リハビリ、ウィルチェアーラグビーとの出会い、そしてパラリンピックをめざす、というこれまでの過程を振り返って、今あらためて何か感じることはありますか?

 

のん気な人間だなって思います。怪我をしたときも周りは大騒ぎでしたけれど、自分としてはなんとかなるだろうと思っていましたから。ポジティブなのか、先のことを考える力があまりないのか、どちらかはわかりませんけれど(笑)。でも一つ、こうして車いすの生活になったからこそ気づいたこととしては、世の中には思った以上に障がいのある人が多いということ。健常者だった頃の自分は本当に何も知らずに生きてたんだなぁって思います。そういう意味でも、こうして車いすで生活をし、パラスポーツにチャレンジすることで自分の知らなかった世界を知ることができたのではないかと。やっぱり、世界は広いなぁって。

 

───日本代表選手になられてからは海外遠征も多いと思います。さらに倉橋選手の世界は広がったのではないですか?

 

そうですね。それまではほとんど行ったことがなかったので。こうやって遠征で海外に行かせていただけるのはすごくありがたいです。もちろんラグビーをしに行っていますので、体育館の周りにいることがほとんどで観光をする時間はありませんけれど、それでも自分にとってはとても意味のある経験ですね。そういえば一度だけ、パリで女子だけの大会に出場したときに、体育館の近くだったのでエッフェル塔や凱旋門を見に行ったのですが、あれは本当に感激しました。パリの石畳の道は大変でしたけれど(笑)。あとはパスポートのスタンプが貯まっていく感じなども密かに楽しんでいます。

 

 

───ちなみにオフの日は何をされていますか?

 

友人たちと牧場や動物園に行ったり、関西人らしく家でたこ焼きパーティをするとか、そんな感じです。あとは寝ることが本当に好きなので、何もないときは大体寝てます! 遠征の時の飛行機でも、画面には一切触れずにひたすら寝るタイプですね。だって、誰にもじゃまされずに寝られるって、めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。

 

───本当に、いい意味でマイペースですね(笑)。最後にそんな倉橋選手の今後のビジョンについても聞かせてください。東京パラリンピックはもちろん大きな目標だと思いますが、そこがゴールではないと思います。そのさらに先に向けて、パラリンピアンとしてどういう風に生きていきたいと思いますか?

 

自分たちのプレーによってウィルチェアーラグビーの存在をたくさんの人に知ってもらい、競技人口を増やす力になりたいですね。とくに女子選手をもっともっと増やしたいなと思います。男女混合競技であること自体がまだあまり知られていないところもありますので、「女子でもこんなに激しくぶつかれるスポーツがあるんだ」って、東京パラリンピックでもどんどんアピールしたいです。そして同じような境遇の人たちに元気を与えられるような選手になりたいですね。そのためには、まずは自分が元気であり続けること。それが何より大事だと思っています。

 

 

【プロフィール】

倉橋香衣さん

くらはし・かえ●1990年9月15日生まれ、兵庫県出身。高校時代まで体操、大学ではトランポリン部に所属していたが、大学在学中の試合での怪我によって頸髄を損傷。そのリハビリの過程でウィルチェアーラグビーと出会う。2015年に強豪クラブのBLITZに加入し、大学卒業後に商船三井に入社。2017年度から日本代表に女子選手として唯一選出され、今年8月にオーストラリアで開催された世界選手権で初優勝。

 

◆「ウィルチェアーラグビー界の"元気印"、倉橋香衣。2020年TOKYOへの道」はこちら>>>


【MEN'S NON-NO web】

http://www.mensnonno.jp/

Composition & Text:Kai Tokuhara

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