2020年の東京パラリンピックに向けて様々な競技やアスリートの魅力に迫るメンズノンノの連載「2020年TOKYOへの道」。本誌1月号で掲載しているメンズノンノ・ボッチャ部の「ボッチャ東京カップ2019予選会」出場レポートを、ここではより詳しくお届けする!
【ボッチャとは?】
脳性まひなどの重い障がいのある人のためにヨーロッパで考案されたパラスポーツで、赤と青のボールを6球ずつ投げて白い的球(まとだま)にどれだけ近づけられるかを競う。障がいの度合いによってBC1からBC4まで4つのカテゴリーに分けられており、自力で投球ができない選手たちのためのBC3ではアシスタントによるサポートのもとランプという勾配器具が使用される。現在、日本には車いすの使用有無を問わない独自の「オープンクラス」があり、障がいのない人でも大会に出場できることで人気を高めている。
去る11月18日、武蔵野総合体育館で行われた「ボッチャ東京カップ2019予選会」。メンズノンノ・ボッチャ部の初公式戦となった同大会は、障がいの有無や車いすの使用義務がない「オープンクラス」のイベントで、「一般の部」には有名企業の有志たちや私設のサークル、さらには家族で参加する人たちまでバラエティ豊かなチームが出場。その数なんと48! 決勝トーナメントに進出した4チームは1月のボッチャ東京カップ本大会への出場資格が得られるとあって、まさに真剣勝負の場となった。
この日、東京カップ予選会に挑んだのはメンズノンノモデルの守屋光治、中川大輔、坂田秀晃。前回の日本代表合宿取材まで参加していたボッチャ部メンバーの遠藤史也、ミッチェル和馬が残念ながら仕事のスケジュールの都合で出場が叶わずメンバー編成をチェンジ。守屋、中川を新たに招集し、出場できない遠藤も加わりながら数回に渡って事前練習を重ね、当日を迎えた。
初戦の対戦相手はチーム「sugar」。年配の方々中心の一般参加チームだったが、それだけに経験が豊富で、メンズノンノ・ボッチャ部は試合開始からなかなか思うようなアプローチをさせてもらえない。結果、2エンドともに0-1で落とし、合計0-2で敗れた。「練習でうまくいっていたことがなかなか出せなかったです。ジャックボールをあえて遠くに置く作戦なども練習では手応えを感じていたのですが、相手チームにブロックをうまく作られて逆に自分たちに不利になってしまいました。やはり相手がいると違いましたね」とは、今大会でキャプテンマークを巻いた守屋のコメント。
そしてグループリーグ突破がかかった2戦目の相手はチーム「花まるBoC」。この予選会の大会メインスポンサー企業のチームだけに試合前からかなり実力があることは予想できたが、結果はボッチャ部のミスも響いて2エンド合計0-4の大差で敗退。残念ながら早々に大会を去ることになってしまった。
2連敗で早々に大会を去ることになったメンズノンノ・ボッチャ部。しかし、敗れはしたものの出場した3人の顔はどこか晴れやか。「やっぱり簡単には勝てない」。そう強く実感したと3人とも口を揃えたが、こうしてチームとして結束してボッチャの公式戦に出場できたこと自体にはある種の達成感を得たようだ。
「公式戦の緊張感を味わうのは高校のサッカー部以来だったので新鮮な気持ちで楽しむことができました。でもこれまでのボッチャ連載での取材や練習の成果を発揮できなかったことは悔しかったです。できればまた出たいです!」(坂田)。
「とくに初戦は、思わずガッツポーズをしてしまうほど(笑)、自分の中で『よし!』と思った投球があったのですがそれをうまく生かせませんでした。う〜ん、ボッチャって、奥が深いですね!」(中川)
「この大会がきっかけでボッチャというスポーツ自体に初めて触れることができましたけれど、出場チームがすごく多くて裾野の広さを感じましたし、こうして誰でもチャレンジできる楽しさもありつつ本当に上手くなるためには相当な練習を積まないといけないんだなと感じました。出直します!」(守屋)
【MEN'S NON-NO web】
Photos:Yuhei Kudo[S-14] Composition & Text:Kai Tokuhara