東京2020パラリンピックに掛けて、20個の質問をしていく「アスリートに直撃!20問20答」。今回は視覚障がい者のリハビリを目的として考案された、パラリンピック競技であるゴールボールの若きエース、金子和也選手。サウスポーを武器に大活躍が期待される。2020年は「節目の年」と位置づける金子選手が胸に秘めた目標とは?
Q1.好きな食べ物は?
母が作ってくれるオムライスです。卵でご飯をくるんでなくて、ただ卵がご飯に乗っているだけなんですが、たまにチーズが挟まっていたりして、美味しいんです。
Q2.好きなファッションは?
う~ん、ラフな格好が好きです。よく着るのはパーカですね。
Q3.好きな音楽やアーティストは?
音楽は好きで、移動中はいつも聴いています。知る人ぞ知るっていうアーティストが好きです。例えば、SPYAIR(スパイエアー)はアニメの曲も歌っているグループで、よく聴いています。
Q4.好きな本は?
最近はあまり読まないですが、小学校3年生の時に、『フランダースの犬』を読んで、大泣きした記憶があります。
Q5.好きな映画は?
映画は好きです。例えば『海猿』シリーズが好きで、全部見ています。ドラマも見ましたが、汗臭い感じとか、男同士の友情とか、そんなところが好きなのかな。僕は弱視で左目は見えにくいのですが、右は視力0.08で割と見えているので、映画はいろいろ見ていますよ。
Q6.好きなタレントや芸人は?
お笑いが好きで、サンドイッチマンとか、ノンスタイルのファンです。YouTubeで聴き流しています。
Q7.好きな言葉は?
「昨日に感謝、明日へ希望、だから今をひたむきに」
中学校の野球部顧問の先生が離任式で話してくれた言葉です。心に刺さりましたね。ひたむきにやろうって、思っています!
Q8.あこがれのアスリートは?
あこがれというか、自分がどこまで行っても追いつけないなと思う選手は、イチロー選手ですね。野球の最高峰の異国でプレーしつづけて、記録保持者になっても、さらに自分の記録を塗り替えようと、練習をやめないストイックさ。自分独自の考えを持ち、実践しているところが、かっこいいな~と思います。
Q9.休みの日の過ごし方は?
学校の友だちと出かけることが多いです。ウインドーショッピングしたり、ご飯を食べに行ったり。気分転換になっています。
Q10.最近、ハマッていることは?
う~ん。やってみたいことは、料理。ある程度はできますが、料理のアニメが好きなので、アニメで紹介された料理をいつか作ってみたいなと思っています。
Q11.好きな女性のタイプは?
スポーツや遊びを楽しみながら、女性であることも忘れず、さりげなく服装にも気を遣える人、ですかね。
Q12.こんなデートがしたい! というのは?
ディズニーランドに行ってみたいです。
Q13.今までで一番うれしかったことは?
小学校時代、リトルリーグで野球をやっていたのですが、4年生で目の病気になり、プレーできなくなりました。それでもマネージャー的な役割をしながら、チームには残っていたのですが、少し辛くなってきて、6年生になった頃に一度、監督に相談したんです。そのときは、「俺は続けてほしいが、お前が辛いなら、止められない」と言われたのですが、それから1週間ほどして、チームのみんなに呼び出されました。
一緒に食事をした後、みんなから、「やめるなよ」と引き止められたんです。迷ったけど、続けることにしました。卒業間際に、さいたま市内のリトルリーグ8チームが集まって卒団試合が行なわれ、試合後に各チームで最優秀選手を一人選ぶことになっていて、全員一致で僕を選んでくれたんです。「プレーしていない選手を選んでくれるなんて」って驚きましたが、本当に嬉しい思い出です。
Q14.一番幸せを感じるのはどんな時?
今年度の日本代表強化指定選手選考会が2月にあり、僕はA指定選手になりました。攻撃力、守備力、チーム貢献度などがポイント化され合計点で評価されるのですが、今回A指定選手は2人しか該当がなく、しかも2人は同点だったと聞きました。つまり、チームで最高得点だったんです。家族も喜んでくれて、幸せだなと思いました。
Q15.尊敬している人は?
頭が上がらないのは、母親ですね。ゴールボールとも引き合わせてくれたし、本当に感謝しています。
Q16.試合前のルーティーンってある?
会場に入る前の待機中は仁王立ちしています。また、入場行進中は無意識に左上、体育館の天井の左隅辺りを見上げていますね。そうして、その試合でやりたいプレーを考えています。とくに得点シーンで、守備が触れないくらい速いボールを投げて、そのままゴールに吸い込まれるシーンをイメージしながら行進し、気持ちを高めます。
Q17.自分のPRポイントは?
「見てると元気になる」と言われる、プレースタイルですかね。たぶん、コート内を自由にのびのびと動き回っているからかもしれません。本能のまま、楽しそうに動いていて、「応援したくなる」って言われることが多いです。
Q18.いつも欠かさず持ち歩いてるモノはある?
お守り、ですね。いろいろなところに入れて、いくつも持ち歩いています。筆箱には学業成就、財布には健康祈願、鞄には勝守…。自分では買いませんが、人からいただいたお守りは捨てたくないので、大事にしています。
Q19.将来、目指していることは?(アフター2020)
今は理療科の学生で、国家資格取得を目指しています。ゴールボール引退後はスポーツトレーナーになりたいと思っています。できれば、英語も勉強して、イチロー選手のように単身で海外に挑戦する選手専属の通訳兼トレーナーのような存在になれたら、天職かなと思っています。勉強も、頑張ります。
Q20.Tokyo2020への思いを一言で!
僕は2020年に、ちょうど20歳になります。20年間生きた証として、東京パラリンピックで活躍したい! 小学4年で視覚障がいのために野球ができなくなって落ち込んで。でも、新たに、ゴールボールという打ち込めるスポーツに出会いました。お世話になった皆さんに、頑張っていることを結果として示したい。とにかく今、すべてをかけています。
【プロフィール】
金子和也さん
かねこ・かずや●2000年2月8日さいたま市生まれ。
小学1年生からリトルリーグで野球を始めるが、4年生(9歳)でレーベル視神経症を発症し、野球は断念。中学3年(14歳)のとき、ゴールボールに出会う。2016年、初めて日本代表として国際大会出場。以来、2017年アジアユースパラ大会、2018年世界選手権、アジアパラ大会などで活躍。
星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo