熱かったリオが終わり、
東京2020が日1日と近づいてくる。
バスケットボール界は、Bリーグが始まり、
ますます盛り上がり、注目される。
そんな中、東京に向けて、2人の男がコートで交錯する。
オリンピック、パラリンピック、
それぞれの日本のキーマンが語る
ラブ・バスケットボール。
藤澤 Bリーグが開幕しましたね。おめでとうございます。これで日本のバスケ界が、もっと盛り上がっていきそうですね。車イスバスケにもいい刺激になります。
田中 ありがとうございます! たくさんの取材を受けていろいろなメディアに取り上げてもらったりと、これまでのシーズン開幕とは状況がまったく違いましたね。個人的にはプレッシャーはほとんど感じてなくて、楽しみの方が大きかったんですけど、さすがに開幕戦は緊張しました(笑)。
藤澤 やっぱり雰囲気が違いましたか?
田中 コートに入って周りを見たときにお客さんがいっぱいで、大歓声。今まで見たことのない景色に鳥肌が立ちました。嬉しかったし、プレイするのが楽しかったですね、純粋に。
藤澤 僕も初出場だったリオパラリンピックでは同じような感じでした。見たことのない風景がバーンと広がってて。子どもの頃から夢見ていた憧れの舞台はこれだったのかと。
田中 テンションが上がりますよね。
藤澤 僕はアルバルクの試合は時々観戦しに来てるんです。昨シーズンに代々木第二であった、「ENERGY MATCHDAY」も観ましたよ。MCが入って音楽を流しながら解説もあって。
田中 MAMUSHIさんの!
藤澤 そうです。ゲームはハードだけど、イベントはショーアップされていて、観客としてその空間にいるのが楽しかったですね。まだ車イスバスケは観客があまり多くないので、あんな華やかなところで、たくさんのお客さんの前で試合ができるのが、すごくうらやましかったです。
田中 Bリーグが始まって、これまで以上に各チームがいろいろ凝った演出をするようになっています。お客さんにも好評みたいです。藤澤選手もぜひ、今シーズンもアルバルクのゲームを観にきてくださいよ。
藤澤 ヨメさんと子どもと一緒に行きますよ。Bリーグは家族みんなで観戦に行って楽しめますもんね。車イス席もあるし、サポートのスタッフもいてくれるので、僕たち障害者も安心して行けます。
(「語ろう、バスケのこと②」に続く)
【プロフィール】
藤澤潔さん
ふじさわ・きよし●1986年7月26日、長野県出身。埼玉ライオンズ所属。ポジション:シューティングガード。2005年世界ジュニア準優勝の黄金世代のひとり。安定したシュートとディフェンス、そしてヘアスタイルは何があっても乱れない。
田中大貴さん
たなか・だいき●1991年9月3日、長崎県出身。アルバルク東京所属。ポジション:シューティングガード。東海大時代はMVPを始めとする数々のタイトルを獲得。Bリーグ初代王者を目指すアルバルクの顔。オールラウンダーが魅力。
『リアル×リオオリンピック~井上雄彦、熱狂のリオへ~』(集英社)より転載
【詳細はこちら】
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-780806-3&mode=1
撮影/細野晋司 ※3枚目の田中大貴選手の画像のみALVARK TOKYO提供