■女子にとって1年延期の影響は「計り知れない」
女子は男子同様にAチーム対Bチームの紅白戦に加え、海外強豪チームを想定した男子クラブチーム(Tsukuba-tech)との対戦もそれぞれに組まれた。
初日に行われた紅白戦は長い試合になった。合宿などを通し互いに手の内を知る相手ともあって決め手を欠き、12分ハーフのレギュラータイムでは両者無得点。3分ハーフの延長戦でも決着がつかず、サッカーのPK戦に相当する1対1のエクストラスローにまでもつれ込んだ。2巡目(のべ7人)のAチーム欠端瑛子(セガサミーホールディングス)のスローを防いだ、ベテラン小宮正江(アソウ・ヒューマニーセンター)が直後にゴールデンゴールを決め、Bチームが1-0で勝利した。
2日目はまず、AチームがTsukuba-techと対戦。5-3で勝利するも、5連続得点から後半残り2分で3失点と、課題を残した。Bチーム対Tsukuba-tech戦はゴール争奪戦となり、残り4秒で7-8とリードされたBチームだったが、高田朋枝(ミナリッカ)が0.2秒で同点弾を決め、延長戦開始早々、安室早姫(SMBC信託銀行)のゴールデンゴールで9-8と劇的な幕切れ。
だが、市川総監督は、スピードやパワーに勝る男子相手とはいえ、「ずるずる失点しすぎて問題がある。1年延期の影響は計り知れない」と危機感をにじませ、東京パラに向け、「内定選手の再選考に入らなければならない」と話した。
総監督によれば、昨年3月に発表した内定選手は2020年8月開催を前提として選んだメンバーであり、東京パラ延期決定後の3月25日、「1年間で、ベテランがコンディションを維持できるのか、若手がどこまで台頭するか総合的なバランスを精査し、団体競技として適正な選手を選ぶために内定の見直しがあることを女子の3選手には通達していた」という。
星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto