■東京パラのグループリーグの組み分けが決定!
5月12日には東京パラリンピックのグループリーグの組み分け抽選会が、パラリンピック発祥地のイギリス・ストークマンデビルの会場で行われ、その様子はインターネットでライブ配信された。東京パラには男子12チーム、女子10チームが出場し、それぞれA、Bの2組に分かれて総当たり戦を行い、各組の上位4チームの計8チームが決勝トーナメントに進出する。
この日の抽選では開催国の日本にはどちらの組に入るか選択権があり、男子は京谷HCがカナダ、韓国、スペイン、トルコ、コロンビアと同組となるグループAを選び、女子は岩佐HCがカナダ、オーストラリア、イギリス、ドイツと同じグループAを選んだ。
一方のグループBは、男子がアメリカ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、アルジェリア、イランに、女子はアメリカ、中国、オランダ、スペイン、アルジェリアになった。
男子は各大陸王者らが集中し、いわゆる“死の組”の様相となったグループBに比べると、グループAの顔ぶれは日本にとって比較的戦いやすいと言えそうだが、目標とするメダル獲得を考えると、1位通過で決勝トーナメントに進みたい。リオパラリンピック銀メダルで、欧州選手権2位のスペインや米大陸2位のカナダ、アジアオセアニア2位の韓国あたりがライバルになりそうだ。
抽選の結果を受け、京谷HCは、「どちらも実力のあるチームだったが、これまでのヨーロッパ予選やアメリカ予選を見てきた中で、日本のスピードとクイックネスという言う部分が上手くかみ合う相手がグループAだった。どの国も強豪国なので、どの試合も気が抜けない。我々はチャレンジャーとして一戦一戦全力で戦って、いい結果を手にしたい」とコメント。
東京パラに向けてさらなる成長を誓う日本代表キャプテン、豊島英選手
また、リモートで抽選会の様子を見守った豊島キャプテンも、「1年延期されたことで、より一層心技体を磨いてきた。東京大会に向けて残りの時間もいい時間につなげていきたい。自国での開催は一生に一度あるかないかなので、とても光栄。試合観戦を楽しみにしている世界中の人に笑顔になってもらえるような試合を届けたい」と意気込みを示した。
女子も、グループBに世界女王のオランダやアジアオセアニア1位の中国と強豪がそろう。日本女子は2008年北京大会以来のパラリンピック出場となるため、厳しい戦いが予想されるが、地の利も活かし、勝機を見出したい。同組には世界選手権2位のイギリスや米大陸1位のカナダがいるが、いずれも昨年2月の大阪カップで対戦している。また、アジアオセアニア2位のオーストラリアもよく知る相手であり、戦略を立てて確実に勝ち星を重ねたい。
岩佐HCは抽選会後、「全ての強豪国とゲーム出来る事を楽しみにしている。大会では予選リーグの戦い方を大事にして、上位で決勝トーナメントに進めるように努力する。東京パラリンピックまで残り少なくなったが、大会までチーム力を上げて『メダル獲得』を目指して頑張りたい」とコメントを発表。
リモートで抽選会に立ち会った藤井キャプテンは、「どちらのプールに入っても一つも楽な試合はない。しっかりとチームで準備をしたい」と決意を口にしたうえで、自国開催のパラリンピックの意義として、「車いすバスケの認知度が上がること。そして、障害をもった子どもたちが目標や夢を持ち、車いすバスケというスポーツが多くの人の居場所や目指すべき場所になることを期待している」と話した。
男女日本代表にとっては東京パラの本番会場の確認もでき、対戦相手も決まり、いよいよ総仕上げの時期に入ってきた。今回手にした手ごたえと課題を糧に、両チームのさらなる進化に期待したい。
東京パラは8月24日に開幕し、車いすバスケットボールは開会式翌日の25日から1次リーグが始まり、女子は9月4日に、男子は大会最終日の9月5日に、有明アリーナで決勝戦、3位決定戦が行われる予定となっている。
【日本車いすバスケットボール連盟公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UC19Oe6wsdfLww1byaawHy8A
星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto