田中 僕たち男子代表は、最終予選で敗退したので、リオで戦っている女子代表や車イス代表が本当にうらやましかったです。やっぱりアスリートなら誰しもがオリンピックの舞台には出たいと思いますからね。
藤澤 僕ら共通の目標は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックになりますね。
田中 そうですね。東京オリンピックには何としても出場したいです。
藤澤 自国開催のオリンピック・パラリンピックに出場できるチャンスは2020年しかないですからね。でも、ちゃんとした成績も残さないといけないというプレッシャーも大きいですよね。
田中 だからこそ、それを自分のキャリアの中でベストな状態で迎えたいと思っているんです。今シーズンはBリーグが開幕して、アルバルクとして優勝という目標に向かって戦っていますが、その先の大きなビジョンとして常に2020年を意識していきたい。それまでの1日1日が勝負だと思うので、日々を積み重ねながら自分自身を高めていきたいですね。
藤澤 僕はリオでは、個人的にはすごく悔しい思いが残ったんです。厳しい相手との連戦の中でスタメンのファーストユニットが苦しい時間があったんですが、僕のセカンドユニットがそれを助けることができなかった。まだ僕のレベルがそこまで達していないということが自分でもわかりました。だから2020年に向けてもっとスキルを磨いて、スタメンのユニットに主力として名前を連ねたいと思っています。代表の中でみんなから信頼される、存在感のある選手になることが目標です。
田中 僕も東京オリンピックに参加するなら、スタートで出られる選手でありたいですね。
藤澤 僕は所属クラブの埼玉ライオンズではスタメンなんです。リオでは普段と違う役割、ワンポイントでゲームに入っていくことの難しさを痛感しました。
田中 その難しさ、よくわかります。自分も最初から出たいタイプなんで。
藤澤 では、あらためて僕ら共通の目標は2020年東京のスタメンということで(笑)。
田中 そうしましょう(笑)。
藤澤 同じバスケの日本代表として、高めあっていけたらいいですね。これからもよろしくお願いします!
田中 こちらこそお願いします。アルバルクのゲーム観に来てくださいね。約束ですよ!
【プロフィール】
藤澤潔さん
ふじさわ・きよし●1986年7月26日、長野県出身。埼玉ライオンズ所属。ポジション:シューティングガード。2005年世界ジュニア準優勝の黄金世代のひとり。安定したシュートとディフェンス、そしてヘアスタイルは何があっても乱れない。
田中大貴さん
たなか・だいき●1991年9月3日、長崎県出身。アルバルク東京所属。ポジション:シューティングガード。東海大時代はMVPを始めとする数々のタイトルを獲得。Bリーグ初代王者を目指すアルバルクの顔。オールラウンダーが魅力。
『リアル×リオオリンピック~井上雄彦、熱狂のリオへ~』(集英社)より転載
【詳細はこちら】
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-780806-3&mode=1
撮影/細野晋司