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2023.06.15 車いすテニス 菅野浩二 ニールス・フィンク 車いすテニス全仏オープン クワード
車いすテニス 全仏オープン

クアード・菅野浩二が王者フィンクに挑みベスト4。「すべては勝利のために」。

フランス・パリのローランギャロスで開催されているテニス全仏オープンは、現地時間の6日に車いすテニスの部がスタート。男子、女子、クアードの3つのクラスが実施されている。上肢にも障がいがあるクアードのドローは「8」で、世界ランキングの上位7人とワイルドカードの選手がエントリー。日本勢ではワイルドカードで菅野浩二(リクルート)が出場し、2019年、2022年に続いて3度目の全仏で、ベスト4の成績を残した。

1回戦では、ヒース・ダビッドソン(オーストラリア)と対戦。最新の世界ランキングでは菅野が6位でダビッドソンが5位、対戦成績は菅野の9勝8敗と僅差で、この試合も互いに持ち味を発揮する競った試合展開となったが、粘りを見せた菅野が6-2、7-5で勝利した。昨年の全仏の1回戦でも対戦している両者。その時はダビッドソンが勝利しており、今回は菅野がリベンジを果たした格好だ。「今回はワイルドカードでの出場だったので、気負わず、挑戦していく気持ちで挑めたのが良かったと思う」。菅野はこれまでグランドスラムに8度出場しており、1回戦を突破したのは2021年の全米オープン以来。「久しぶりにここまで来れた」と、会心の勝利に笑顔を見せた。

そして迎えた準決勝。相手は世界ランキング1位のニールス・フィンク(オランダ)だ。彼は手指の第一関節から先が5本とも欠損しているため、ラケットを握る際の安定感という点ではやや不安があるものの、クアードでは珍しく、フォアハンドとバックハンドでグリップの握りを変えることができる。そこから繰り出す強烈なショットが強みで、20歳にしてクアード界を引っ張る存在だ。そんなフィンクに対し、菅野はここまで2勝10敗と対戦成績で水をあけられているが、「自分の引き出しを全部開けていくくらいのつもりでやれたら、チャンスがある」と、ある戦略に勝機を見出していた。

 

その「引き出し」のひとつが、アンダーサーブだ。ダビッドソン戦でも取り入れ、相手のペースを乱すことに成功していたアンダーサーブは、強打で押し切るタイプのフィンクに対しても有効だと考えたのだ。実際に第1セットはアンダーサーブから効率的にラリーに持ち込み、相手のミスを誘ってポイントを重ね、2度のブレークにつなげた。

 

菅野の計算どおり、フィンクはいつもと違う戦い方に違和感があったのか、いら立ちを見せる場面も。しかし、中盤からリズムを取り戻されると、第2ゲームは5ゲームを連取され、最終的には4-6、2-6で敗戦。菅野の初の決勝進出は叶わなかった。

試合後、今大会の挑戦について菅野はこう語る。

 

「フィンクや、男子の小田(凱人)選手のように一発で決められるようなサーブができればいいんですが、(頸椎損傷で)パワーがそれほどない僕の場合は難しく、武器にはなりづらい。それならラリーで勝負するために、使えるものは使っていこうと決めました。サーブでダブルフォルトを重ねるより、いい戦術だったと思います。だからこそ、1回戦では格上の選手に勝てたし、準決勝は負けたけれど相手を追い込むような試合ができたんだと思います」

 

実際に菅野のアンダーサーブはフィンクにじわじわとストレスを与えていたようで、菅野は試合が終わったあと、フィンクから『なんでアンダーばっかり打ってんだ』と言われたそうだ。「『なんでって、お前に勝つためだよ!』って。言わなかったですけどね」と、笑いながら裏話を教えてくれた。

 

菅野は高校1年の時に交通事故に遭い、首から下に障がいが残った。20歳で車いすテニスを始めた当初は、より障がいが軽い男子でプレーしていたが、2017年にクアードに転向。東京2020パラリンピックでは諸石光照(EY Japan)と組んだダブルスで、日本のクアード史上初となる銅メダルを獲得した。その輝かしい表舞台の裏で、国内では地道にクアードの選手発掘事業も行われているが、なかなか競技人口が増えないのが現状だ。そんななかで、自身の活躍が誰かの目に留まり、「自分の障がいでもテニスができるんだ、とやる気になり、選手になってくれたら嬉しい」と、菅野は言葉に力を込める。

 

クレーコートはハードコートと比べて車いすの漕ぎ出しに力が必要で、上肢にも障がいがあるクアードの選手にとってはより難しいサーフェスのひとつとされる。来年にはパリ2024パラリンピックが、ここ全仏オープンと同じローランギャロスを会場に開催される。菅野は「クレーコートでも戦い方次第でここまで行ける(ベスト4)というのは、示せたと思う。自分自身も、今大会で得た課題と収穫をこの先に生かしたい」と力強く語り、次のステージを見据えていた。

写真/植原義晴 ・ 文/荒木美晴

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