————以前のメンズノンノの連載企画に続き、今回も集英社元旦新聞広告へのご出演ありがとうございます。
お話をいただいて、すぐに出たいと思いました。「あなたの個性は、みんなの可能性だ。」というキャッチフレーズにグッと惹かれたと言いますか、僕自身も常にそういう信念のもと競技と向き合っているので通じるものを感じました。
————芦田選手をはじめとするパラアスリートの皆さんのほか、作家やモデルさんなど様々な業種の方々にもご出演いただいています。今回のようなコンセプトの撮影について、どのように思われますか?
アスリートだけが並ぶのではなく、こうやって異業種の方々とコラボレーションするこことは僕らにとってすごく大事なことだなと感じています。そのことでアスリートとしての存在価値がより高まったり、また新しいクリエーションにも繋がる可能性があったり。そういう意味でも楽しみにしていました。
————2020年の東京パラリンピックが近づくにつれて、今後はこのようなメディアへの出演依頼がさらに増えてくるのではないでしょうか。
出るのは好きなので(笑)。とくに最近はパラ陸上自体の地位向上だけでなく自己ブランディングも心がけています。例えば講演などでも、今の僕が語るのとイチロー選手が語るのでは影響力が違いますよね。だから自分が伝えたいことをより良く伝えるためにも、もっと知名度を高める必要があると感じています。僕自身がいろいろなことに触発されて今こうやってアスリートとして生きる選択をしたように、何かしら人の心を動かせるパフォーマンスや言葉を提供したいと思っていて、それがアスリート活動の原動力にもなっています。
————メンズノンノで取材させていただいたのが昨年の8月末。そこから今に至るまでの約4ヶ月間はどのような期間でしたか?
8月の世界選手権の後、9月末に2017年最後の大会に出場し、10月のリフレッシュ期間を経て11月からトレーニングを再開しています。2017年を振り返ると、3月にいい記録を出して飛躍した後に膝と踵を痛めてしまったので、あまりいい流れではなかったと思います。1年間フルに戦えない弱さを実感しました。その分、怪我が治った今はより勝ちたい気持ちが強くなっています。新シーズンに向けて気持ちが高ぶっている感じですね。
————ちなみにリフレッシュ期間はどう過ごされたのですか?
3泊5日でハワイに旅行しました。さっと行って、さっと帰ってきた感じですね(笑)。あとは講演を行ったりイベントに出たり。
————メンズノンノの取材時にはご自身を「ミニマリスト」と評されていましたが、やはり旅行も非常にコンパクトなのですね。
相変わらず生活自体がミニマルにまとまっています。この冬に買った服も、アークテリクス ヴェイランスというブランドのロゴのないシンプルな黒のダウンジャケット1着だけ。毎日、白いTシャツ1枚にそのダウンを着ているだけです(笑)。
————今度はぜひライフスタイル取材もお願いしたいです(笑)。それでは最後に、2018年の抱負をお願いします。
2020年から逆算して、本番で勝つためにも今年は記録アップにこだわる1年にしたい。まずはアジア大会で勝ち切ること。昨年の世界選手権で優勝した中国人選手が事実上の世界ナンバーワンなので、7m30のアジア記録を更新して彼に勝ちたいですね。そこから世界一までの足がかりにしたいなと思います。
PROFILE
あしだ はじむ●1993年生まれ、大阪府出身。5歳で右腕に悪性腫瘍を患い、闘病生活を経て中学3年時に陸上を始める。高校時代は400m走でインターハイをめざすほどの実力者に。その後も上肢障がいを抱えながらパラ陸上で活躍。2016年のリオ・パラリンピックでは4×100mリレーで銅メダルを獲得。メイン種目は走幅跳。