連日熱戦が続く「2018車いすバスケットボール世界選手権大会」。日本代表の活躍ぶりをドイツ・ハンブルクからいち早くレポートします!
日本-スペイン
1Q 14-10
2Q 5-16
3Q 10-18
4Q 21- 8
計 50-52
決勝トーナメント1回戦はPOOL Dの4位スペイン。リオパラリンピックでも戦い、その時は敗れた相手に大事な世界選手権の舞台でリベンジを果たしたいところ。4位とはいえスペインが入っていたPOOL Dはオーストラリア、オランダ、アルゼンチンといった強豪揃い。いわゆる「死の組」と言われていたので額面通りではない。案の定、彼らの高さが壁のように立ちはだかって、シンペーJAPANにまともなオフェンスをさせない。外からのシュート確率も悪く、日本はズルズルと点差をつけられていった。それでも最終Q、鳥海の奮闘もあり連続17得点と驚異の巻き返しを見せ、同点に追いつく。しかし最後はスペインにシュートを決められタイムアップ。シンペーJAPANは惜しくも準々決勝進出を逃した。
「今日もスタートで使ってもらって、僕自身も意識を高く持って(ゲームに)入れたけど、オフェンスでも啓(秋田)や宏昭(香西)の得点を増やすような動きをして、空いたところで自分もシュートを決める…そう思ってたけど全然良いポジションが取れずに、得点を取ることができなかったです。そこは悔いが残りますね。連志(鳥海)がファイトして最後になんとか追い上げたけど、トータルすればFTを含めてシュートが入らなかったです。前半は苦し紛れのシュートも多かったですし。いかに冷静に流れを読んで、そして流れを呼び込むかが大切ですね」(写真1枚目)
「勝つべき試合でした。やるべきことができれば、あの点差を追い上げることができたということは、最初からできたということ。プレスがあれだけ有効だったんですから、中盤に僕らが出たときにもうちょっと流れを作れていたら結果は変わっていたと思います。悔しいです。でも、この世界選手権で勢いのあるトランジションオフェンスと様々なコンビネーションのディフェンスを40分間やり続けられれば、自分たちのゲームが作れて、どの相手でも勝てるということは再確認できました。その自信を持って、順位決定戦を闘いたいと思います」(写真2枚目)
「中盤に離されてしまったところは、僕たちの切り替えの遅さが原因。40分間切り替えの速いトランジションバスケを続けるというチームの目標を達成できなかったから、この結果になったと思います。そこが今の僕たちの弱さだと痛感しました。あと2年で乗り越えていかなければならないところです。ただ、最大19点差を追いついて接戦に持ち込めたことは収穫です。それだけの力のあるチームになっているということは忘れたくありません。今日の試合の良かったところ、より良くすべきところをちゃんと振り返って、次の試合につなげたいと思います。それがきっと2020年東京につながると信じてやっていきます」(写真3枚目)
「やるべきことをやろうとしていてもうまくいかないこともあるから、そんなときはもっとアグレッシブにいかないといけなかったけど…チームとしてのシュートやフリースローの確率が低かったこともあって、乗り切れなかった試合でした。チームとして取り組んできたバスケでどの相手に対しても接戦ができて、予選リーグではそれが勝ち切れるところまで行けたし、スペインに対しても対等に闘えたのは大きな収穫だと思います。でも、勝負どころでのディフェンスでどういうチャレンジをしていくかというのはもっと突き詰めたいと思いました。順位決定戦では、ディフェンスでどうチームを引っ張っていくか、オフェンスでチャンスメイクしていくかというところをもっとアグレッシブにやりたいです」(写真4枚目)
「あれだけシュートが入らないとキツいです。トータル31%ですよ。技術的なものなのか精神的なものなのか、ちょっとわからないですね。昨日もミーティングで『相手のスペインは高さはあるけど、必要以上に大きくするな』とは話したんですが、特に啓(秋田)は機能してなかったですね。スペインの高さに最後まで苦しんでました。得点源だったのが今日は0ですから。啓が使えないと、やっっぱり苦しいです」(写真5枚目左)
「いいところと悪いところが介在したゲームでした。とにかくターンオーバーが痛かった。でも2Qはまだ我々のギアを上げる時間ではないと思っていたんだけど、自分たちのやりたいバスケをさせてもらえなかったです。フッと力が抜けたみたいな感じになってしまった。12人全員でアグレッシブに闘うということができてなかったですね。チームの完成度で言えば、僕らはまだまだ、道半ばということでしょう。とはいえリオパラリンピックでスペインとやった時は39対55というスコアでした。50対52と2点差まで追い詰めたのは、リオから2年間やってきたことが間違ってなかったということでもあるし、成長したということ。がっかりしてる場合じゃないし、泣いてる暇もない。東京2020に向けて成長し続ける、強くなることしかないんです。世界選手権、目標のベスト4には届かなかったけど、東京で結果を出せるように、これからも頑張ります」(写真5枚目右)
text&photo by チームリアル