「学生時代は周りから怒られるくらいおしゃれに無頓着だったけど、社会人になってからは特にメイクに興味を持つようになって。コンセプトは練習後も“練習帰りに見せない”こと(笑)。今のファンデーションは性能がすごいので、汗をかいてもくずれにくいんです! マスカラやチークもして練習に行きますし、2週に1度はスクラブをして、試合で乾燥する国に行く時は必ずパックも持参しています」
さらに月に1度は大好きなミュージカルを観劇するのが趣味だと語るなど、女子としての日々を謳歌しているよう。ただし、「なりたい自分」という本題に話が及ぶと表情が変化。見据える先は、やはり2020年の東京パラリンピックだ。
「20代は陸上競技に自分のすべてを懸けて努力していこうと、初めてパラリンピックに出場した5年前からすでに決めていました。2020年は自国の東京開催ですし、競技でメダルを取ることはもちろん夢。でもさらに、見ている人たちに勇気を与えられる選手になることが目標です。健常者のオリンピックと比べるとまだまだ知名度は低いので、パラリンピックの象徴になるような、スター選手になりたいと思っています!」
【プロフィール】
高桑早生さん
たかくわ・さき●1992年5月26日生まれ、埼玉県出身。慶應義塾大学卒業後、エイベックスに入社。2012年ロンドン、16年リオのパラリンピックに連続出場。T44クラス(片足下腿義足)。
【MORE webサイト】
取材・文/松山 梢 撮影/永躰侑里 ヘア&メイク/RYO(ROI) ©avex challenged athletes