3月3日に東京ドームで行われたプロ野球、読売巨人軍(以下ジャイアンツ)と東京ヤクルトスワローズとのオープン戦試合終了後、ブラインドサッカーと車いすバスケットボールを体験するイベントが開催された。
このパラスポーツ体験イベントは読売巨人軍が2015年3月から行なっている社会貢献活動「G hands(ジーハンズ)プロジェクト」の一貫で開催されたもので、昨年に続いて2回目となる。
参加したのはジャイアンツの選手30人、事前募集した一般参加者約100人、そしてブラインドサッカーの日本代表強化選手にも選ばれている丹羽海斗さん、日本車いすバスケットボール連盟の上村知佳さんなど、2020年の東京パラリンピックでの活躍が期待される超豪華なパラアスリートたち。
それぞれの競技の説明を受けたのち、まずはジャイアンツの選手10名が、デモンストレーションを行った。
坂本勇人、中島宏之、山口俊、炭谷銀仁朗、丸佳浩選手がブラインドサッカーを、菅野智之、亀井義行、小林誠司、野上亮磨、田原誠次、吉川光夫選手が車いすバスケットボールを担当。
普段とは勝手が違うスポーツということで、野球の試合で見せる俊敏な姿はどこへやら、悪戦苦闘するジャイアンツの選手たち。
それでもなんとか基本の動きを習得し、それぞれのパラアスリートたちとシュート対決に挑戦。
ハンデをもらい接戦となったものの、結果は両方とも負け。
車いすバスケットボールを体験した亀井選手は「まず車いすを操作するだけで焦ってしまいますね。本当に難しい」と苦笑い。
それを受け上村さんからは「身体が出来上がっているプロ野球選手だからもうちょっと入るかなと思ったけれど、意外と入らないものですね」と手厳しいひと言が(笑)。
一方、ブラインドサッカーを体験した丸選手が「思っていた以上に難しかったです。ほとんど勘で蹴りました」とコメントすると、丹羽さんは「シュートが強くて驚きました! かっこよかったです」と大絶賛。
そして、いよいよ一般参加者たちとパラアスリート、ジャイアンツの選手たちとの交流体験がスタート。
参加したジャイアンツの選手たちは、ブラインドサッカーが吉川尚輝、今村信貴、戸根千明、吉川大幾、桜井俊貴、大江竜聖、大城卓三選手、車いすバスケットボールは石川慎吾、立岡宗一郎、北村拓己、山本泰寛、田中俊太、高橋優貴、鍬原拓也、坂本工宜選手。
ブラインドサッカーは、目隠しをしたままゴールを目指すところから練習を始め、最後にはコーンに向かってシュートが打てるようにまでなった。
車いすバスケットボールは、ひたすらにシュート練習。
一般参加者も選手も分け隔てなく協力しながらパラスポーツをするうちに、その場にいる全員が一体となり、どんどん笑顔になっていく様子が印象的だった。
吉川尚輝選手は「本当に難しかったです。選手のみなさんの凄さが実感できました」とコメント。
菅野選手は今回の『G handsプロジェクト』について「たくさんの人たちに集まってもらえました。パラスポーツにもっと興味を持ってもらい、広まってほしいです。来年はオリンピックとともにパラリンピックもあるのでお互いに盛り上げていければいいなと思いました」と総括。
そしてイベントの最後を締めくくったのは今村投手。「難しい中に楽しさがありました。2020年に向けて、選手全員でパラスポーツを応援していきます」。
体験イベントのほかにも、当日は東京ドームのコンコースで、様々なパラスポーツの用具や、リオと平昌のパラリンピックの聖火リレーで使われたトーチも展示され、多くの来場者がパラスポーツに触れる貴重な機会となった。
来るべき2020年の東京パラリンピックに向けて「G handsプロジェクト」の活動から益々目が離せない!
【読売巨人軍「G handsプロジェクト」】
Photos:Teppei Hoshida Text:Misato Kikuchi