【#2 木村敬一(視覚障がいクラス)】
4度目の正直で悲願達成へ!
日本パラ水泳界をけん引するエース的存在である木村敬一は、パラリンピックには2008年北京大会から出場し、今回で4度目となる。前回のリオでは、銀2、銅2と、日本人最多となる4個のメダルを獲得したが、悲願の金メダルには届かなかった。東京大会は、その雪辱の舞台となる。
さらなら高みを目指し、18年には単身渡米して新しい環境でトレーニングに励んできた。その成果を見せたのが、19年世界選手権だ。100mバタフライ(S11)で優勝し、ひと足先に東京パラ出場に内定。その後も、本番に向けて順調に調整してきた。
今年5月のジャパンパラ競技大会では、100m自由形(S11)では自己ベストをマークしたが、100mバタフライは思うようなタイムが出なかった。それでも本番に向けたシミュレーションとして、3日間で6レースを泳ぐ奮闘ぶりを見せた。
さらに大会前には200m個人メドレー(SM11)と50m自由形の予選、決勝あわせて4本のタイムトライアルも実施したという。どれだけのスタミナが必要かを把握し、東京大会でどの種目にエントリーするかを決めるためだ。最大のメインとなる100mバタフライはレース最終日。そこで金メダルを獲得するため、準備に余念がない。
過去のパラリンピックで獲得したメダルは、あわせて6個にのぼる木村。東京大会でエースが欲しいのは、金メダルただ一つだ。
<きむら・けいいち>
1990年9月11日、滋賀県生まれ。東京ガス所属。2歳の時に全盲となる。小学4年から水泳を始め、中学3年時には世界ユース選手権で50m自由形で金メダルを獲得した。パラリンピックは、2008年北京大会に初出場。12年ロンドンでは100m平泳ぎで銀、100mバタフライで銅。16年リオ大会では50m自由形と100mバタフライで銀、100m平泳ぎと100m自由形で銅メダル。
写真/越智貴雄[カンパラプレス] 文/斎藤寿子