集英社パラスポーツ応援サイト

  • HOME
  • パラスポ+!について
  • 大会/イベントスケジュール
  • YOUNG JUMP

競技

  • 陸上競技
  • パワーリフティング
  • トライアスロン
  • 車いすバスケットボール
  • ウィルチェアーラグビー
  • シッティングバレーボール
  • 車いすテニス
  • 車いすフェンシング
  • ゴールボール
  • 柔道
  • バドミントン
  • アーチェリー
  • 水泳
  • ブラインドサッカー
  • 卓球
  • テコンドー
  • 車椅子バスケットボール
  • 障がい者スポーツ全般
  • ボッチャ
  • スキー
  • スノーボード
  • パラアイスホッケー
  • パラスノーボード
  • チェアスキー
  • スノーボードクロス
  • パラカヌー
  • パラトライアスロン
  • パラ卓球
  • パラアーチェリー
  • パラ陸上
  • パラアルペンスキー
  • 車いすラグビー
  • アウトサイダーアート
  • パラサイクリング
  • パラ馬術
  • 車いすマラソン
  • パラ射撃
  • 東京2020パラリンピック速報
  • 東京2020パラリンピック
  • 週刊プレイボーイ
  • スケートボード
  • パラ・パワーリフティング
  • 北京2022パラリンピック
  • 北京2022パラリンピック速報
  • 岡本圭司
  • パラクロスカントリースキー
  • 川除大輝
  • 村岡桃佳
  • 森井大輝
  • 新田佳浩
  • 小栗大地
  • 小須田潤太
  • 前川楓
  • 佐藤圭太
  • 山本篤
  • 関俊介
  • オール陸上競技チャレンジ記録会
  • 吉川守
  • 塙保己一メモリアル ゴールボールフェス
  • ゴールボールを知って楽しむ体験会
  • オリオンジャパン
  • マルセル・フグ
  • ローレウス世界スポーツ賞
  • 廣瀬隆喜
  • 杉村英孝
  • 中村拓海
  • 仁田原裕貴
  • 浦田理恵
  • 藤本怜央
  • 香西宏昭
  • ブンデス・リーガ
  • ユーロチャンピオンズカップ
  • 松永製作所
  • 競技用車いす
  • 2022ジャパンパラ陸上競技大会
  • 唐澤剣也
  • 和田伸也
  • 石田駆
  • 三本木優也
  • 江口侑里
  • 石川優衣
  • アジアオセアニアチャンピオンシップス
  • 第33回日本パラ陸上競技選手権大会
  • 福永凌太
  • 川上秀太
  • 石山大輝
  • 吉田匡貴
SHARE
2020.10.23 Sportiva 車いすテニス
全仏オープンテニス2020

女王の意地、新人の台頭。 日本が車いすテニス強豪国となる日は近い

写真:大谷桃子と上地結衣

4大大会初の日本人決勝を実現させた大谷桃子(左)と上地結衣(右)

頂点を掴み取った一打も、この試合の「キー(鍵)」だと見定めていたバックハンドの強打だった。

 

試合前日の夜から「とてもエキサイト」して挑んだ、4大大会初の日本人決勝。その注目の一戦を制したのは、これがグランドスラム26大会目となる、第一人者の上地結衣だった。

 

決勝の相手の大谷桃子は、年齢では上地のわずかひとつ下の25歳。ただ、車いすテニスを始めて、まだ5年。2週間前の全米オープンが初めて踏んだグランドスラムの舞台で、今回の全仏が2度目という、この世界では新人だ。

 

なお、上地と大谷は先の全米オープンでも初戦で対戦。その時は、上地が6−2、7−6でニューフェイスの挑戦を退けた。

 

大谷というライバル候補の国内からの出現は、上地が切り開いた土壌の産物でもあるだろう。

 

今回の全仏の準決勝で、上地と大谷はいずれもオランダ選手を破った。そのオランダこそは、女子車いすテニス界に君臨する強豪国。1990年代から2000年代にかけて活躍したエステル・フェルヘールというレジェンドが道を開き、現世界1位のディーデ・デフロートら後進が先人の残した轍(わだち)に続いている。

 

名選手が輩出されるオランダの秘訣を、上地は「スター選手が歴代いるのが大きい」と目した。スター選手の活躍がテレビ等で報じられるからこそ、人気や認知度も上がる。オランダでは子どもたちが車いす競技を始める時、最初に手に取るのがテニスラケットだという。

 

その先駆者としての道を、今、上地自身が歩んでいる。

 

佐賀県の大学で車いすテニスを始めた大谷は、その地で出会った古賀雅博コーチに師事し、本格的に打ち込み始めた。

 

ただ、コーチの古賀にしても、車いすの経験はない。ボールを打ち合うことはできても、車いすの動かし方を教えることはできなかった。

 

「自分も車いすに乗ってみないことには、教えようがない」

 

そう痛感した古賀は、伝手を通じて競技用チェアを譲ってもらい、自らも”チェアワーク”を習得しはじめる。そしてその際、古賀が助言を求めたのが、上地のコーチである千川理光(ちかわ・まさあき)だった。

 

「僕より歳下ですが、千川君が僕の師匠です」と明言することを、古賀はためらいはしない。チェアワークに伴う車いすならではの戦略性も、上地たちを手本としているという。

 

だから上地との対戦は、いわば「選手とコーチ揃っての師弟対決」みたいなものだと、古賀は笑った。

 

「いつか日本人ファイナルの日が来たらいいな、と思っていたが、こんなに早いとは思わなかった」

 

自身の決勝進出を決め、ひと足先にその舞台に進んでいた大谷との対戦が決まった時、上地はそう言った。後進の急成長を喜び、同時に「2度目のグランドスラムで、優勝させるわけにはいかない」と闘志を燃やす。

 

◆「大谷桃子、全米で感じたトップ選手の誇り。窮地になっても自分を疑わない」はこちら>>

 

上地自身も、グランドスラムのシングルス優勝を果たすまでには5大会、足掛け2年を要した。

 

「そう簡単に勝たせはしない」との想いは、本人曰く「そこはやっぱり、意地」であり、第一人者としての使命感でもあっただろう。大谷の特性をしっかり分析し、やるべきことを明確にして、上地は日本人決戦のコートに向かっていた。

 

「お互いに……なんというか、仕事人タイプというか」

 

自身と大谷の共通点を、上地は笑顔でそう語る。ミスの少ない大谷を「同じことをしっかりやってくる選手」と評し、「私も相手の嫌なところをついていくプレースタイル」と述懐。そのうえで戦前の上地は、「バックハンド同士の、ストレートのラリー」がカギになると分析していた。

 

サウスポーの上地がストレートに打てば、右利きの大谷はバックで返すことになる。大谷をバックサイドのコーナーに釘付けにし、甘いボールがくればすかさず前に出て、オープンコートに強打を叩き込む。

 

大谷は戦前、得意のスピンショットを生かして「前後に揺さぶる」策を思い描いたが、上地のチェアさばきと多彩なショットが、それを許してはくれなかった。

 

最終スコアは、6−2、6−1。「US(全米オープン)の時よりも、作戦がうまくできていた」と、女王は誇らしげに笑みをこぼした。

 

一方の敗れた大谷にしても、上地との頂上決戦を通じて、学んだことは多かったようだ。

 

「不利な状況になっても、上地さんはしっかりディフェンをされていて、その返球が自分にとって苦しいボールになる。どこで前に出て攻めるという選択も、すごく勉強になりました」

 

キャリアの短さを言い訳にせず、一日でも早く肩を並べたいという向上心が、目の光と言葉に込められていた。

 

「東京パランリンピックでも、この対戦を実現したい」

 

表彰式で上地が言えば、大谷は「そう言っていただけるのはうれしいし、もっと認めていただけるようがんばらなくては」と意欲を燃やす。

 

車いすテニスの強豪国・日本—-。

 

そう呼ばれる日は、さほど遠くない未来に待っている。

 

*本記事はweb Sportivaの掲載記事をバックナンバーを配信したものです。


【Sportiva webサイト】

https://sportiva.shueisha.co.jp/

内田暁●取材・文  text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

Tweet
LINEで送る

PREV
NEXT

あわせて読みたい

車いすテニス大谷桃子、全米で感じたトップ選手の誇り「窮地になっても自分を疑わない」

全仏オープンテニス2020

車いすテニス大谷桃子、全米で感じたトップ選手の誇り「窮地になっても自分を疑わない」

2020.10.09
Sportiva 車いすテニス
今年の全米オープン車いすの部は日本人3選手が出場! 初挑戦の大谷桃子に注目!

全米オープン事前情報/車いすテニス・大谷桃子選手

今年の全米オープン車いすの部は日本人3選手が出場! 初挑戦の大谷桃子に注目!

2020.09.08
車いすテニス
上地結衣が「信じられない」と喜びの涙。全仏OP初制覇で観客を魅了した

東京五輪&パラリンピック 注目アスリート「覚醒の時」~車いすテニス・上地結衣  全仏オープンテニス(2014年)

上地結衣が「信じられない」と喜びの涙。全仏OP初制覇で観客を魅了した

2020.07.21
Sportiva 車いすテニス
上地結衣、強化した秘策が成功。緻密な作戦も功を奏し全豪OPを制す

全豪オープンテニス2020

上地結衣、強化した秘策が成功。緻密な作戦も功を奏し全豪OPを制す

2020.02.11
Sportiva 車いすテニス
上地結衣、最強ペア結成で新発見。世界1位から学んだ勝つための秘密

インタビュー 上地結衣(車いすテニス)

上地結衣、最強ペア結成で新発見。世界1位から学んだ勝つための秘密

2018.08.04
Sportiva 車いすテニス

    RANKING

  • 「アスリートに直撃! 20問20答」~パラ陸上・井谷俊介編~

    2018.10.05
  • パラ陸上界に新星! 輝きを放ったT13(視覚障がい)のスター候補たち 第33回日…

    2022.06.24
  • #26「誰もが自分らしく生きられる社会の実現に、車いす作りを通して貢献したい」 …

    2022.06.02
  • パラ卓球/古川佳奈美「100%メダルをとる、くらいの強い気持ちでチャレンジしたい…

    2021.04.16
  • ロンブー田村淳もトライ!「垣根のない社会」の一歩に。健常者も参戦するボッチャ東京…

    2022.04.29

パラスポ+!について

>Tweets by paraspoplus
公式SNS

パラスポ+!

  • パラスポ+!について
  • 大会 / イベントスケジュール
  • セブンティーン
  • メンズノンノ
  • ノンノ
  • モア
  • スポルティーバ
  • ヤングジャンプ

競技

  • 陸上競技
  • パワーリフティング
  • トライアスロン
  • 車いすバスケットボール
  • ウィルチェアーラグビー
  • シッティングバレーボール
  • 車いすテニス
  • 車いすフェンシング
  • ゴールボール
  • 柔道
  • バドミントン
  • アーチェリー
  • 水泳
  • ブラインドサッカー
  • 卓球
  • テコンドー
  • 車椅子バスケットボール
  • 障がい者スポーツ全般
  • ボッチャ
  • スキー
  • スノーボード
  • パラアイスホッケー
  • パラスノーボード
  • チェアスキー
  • スノーボードクロス
  • パラカヌー
  • パラトライアスロン
  • パラ卓球
  • パラアーチェリー
  • パラ陸上
  • パラアルペンスキー
  • 車いすラグビー
  • アウトサイダーアート
  • パラサイクリング
  • パラ馬術
  • 車いすマラソン
  • パラ射撃
  • 東京2020パラリンピック速報
  • 東京2020パラリンピック
  • 週刊プレイボーイ
  • スケートボード
  • パラ・パワーリフティング
  • 北京2022パラリンピック
  • 北京2022パラリンピック速報
  • 岡本圭司
  • パラクロスカントリースキー
  • 川除大輝
  • 村岡桃佳
  • 森井大輝
  • 新田佳浩
  • 小栗大地
  • 小須田潤太
  • 前川楓
  • 佐藤圭太
  • 山本篤
  • 関俊介
  • オール陸上競技チャレンジ記録会
  • 吉川守
  • 塙保己一メモリアル ゴールボールフェス
  • ゴールボールを知って楽しむ体験会
  • オリオンジャパン
  • マルセル・フグ
  • ローレウス世界スポーツ賞
  • 廣瀬隆喜
  • 杉村英孝
  • 中村拓海
  • 仁田原裕貴
  • 浦田理恵
  • 藤本怜央
  • 香西宏昭
  • ブンデス・リーガ
  • ユーロチャンピオンズカップ
  • 松永製作所
  • 競技用車いす
  • 2022ジャパンパラ陸上競技大会
  • 唐澤剣也
  • 和田伸也
  • 石田駆
  • 三本木優也
  • 江口侑里
  • 石川優衣
  • アジアオセアニアチャンピオンシップス
  • 第33回日本パラ陸上競技選手権大会
  • 福永凌太
  • 川上秀太
  • 石山大輝
  • 吉田匡貴
集英社プライバシーガイドライン

©SHUEISHA, ALL RIGHTS RESERVED.