今後はこれまでと変わらず岡山を拠点としながら、東京の国立スポーツ科学センターなどでも練習を計画している。
「今はコロナ禍で積極的な移動ができませんが、自宅に設置できるローラーやスキーエルゴを使ってトレーニングをしています。体のケアにも時間を費やせるようになったので、コンディションはいいですね」
個人でコーチやトレーナーをつけるなど、金メダルを獲るためのサポート体制も構築中だが、まずは、そのチーム名が決まった。prierONE(プリエ・ワン)。佐藤の名前の「祈」をフランス語で表した「プリエ」と、「オンリーワン」という意味が込められているという。
名付け親は、子どものころから大ファンだった香取慎吾さん。メディア対応も自分で行なうようになったことで、パラスポーツを応援する香取さんに命名してほしいと自ら新聞社に企画を売り込んだ。
「新しいチームで早く世界記録を塗り替えたいですね」とうれしそうに笑った佐藤。プロになっても、思い切ってすぐに実行する行動力は変わらない。
パラリンピック出場、世界チャンピオン、そしてプロとステップアップしてきた。東京パラリンピックで金メダルを目指す佐藤友祈は、コロナ禍でも一つひとつ夢を叶えていく過程を楽しんでいる。
プロフィール
佐藤友祈(さとう・ともき)
1989年9月8日生まれ。静岡県出身。21歳の時に脊髄炎の影響から車いす生活になった。その後、2012年ロンドンパラリンピックを見て陸上を始め、4年後のリオパラリンピックに出場すると、400mと1500mで銀メダルを獲得した。東京パラリンピック日本代表に内定している。
瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo