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2024.11.15 車いすバスケットボール 渡辺将斗 小山大斗 谷口拓磨 岩田晋作 北九州チャンピオンズカップ 有吉奏太 男子U23アジアオセアニアチャンピオンシップ 男子U23AOC 中村凌 北九州チャンピオンズカップ国際車いすバスケットボール大会
北九州チャンピオンズカップ国際車いすバスケットボール大会

車いすバスケットボール・男子U23日本代表、今後を占う国際大会で手ごたえ! 自信を胸にアジアオセアニアチャンピオンシップへ!

車いすバスケットボール、ジュニア世代の世界一決定戦である男子U23世界選手権は、来年6月、ブラジル・サンパウロで開催される。その舞台への切符を獲得するための戦いが今、始まろうとしている。11月17日~22日、タイ・バンコクで開催される男子U23アジアオセアニアチャンピオンシップ(男子U23AOC)だ。その1週間前、男子U23日本代表が“準備”の集大成として臨んだのが、北九州チャンピオンズカップ(北九州CC)だ。カナダ、スペインと2試合ずつ対戦し、結果は1勝3敗。目標としていた上位2チームによる決勝進出はかなわなかった。それでも大きな経験と、数々の成長の跡が見えた大会となった。

男子U23AOCを前にチームとして初の国際大会に臨んだ日本代表

ベストゲームで勝ち取った大事な初戦の白星

男子U23AOCに出場する男子U23日本代表に選出されたのは、16~21歳の11人。チームとしての実戦は今回の北九州CCが初陣で、4人が初の国際大会だった。一方、対戦相手のカナダ、スペインはいずれもオーバーエイジの選手を主軸としたチームが来日。さらに初日からダブルヘッダーという厳しいスケジュールも課された中での戦いとなった。

 

そんななか、男子U23日本代表は最高のスタートを切った。初戦のカナダ戦、まず披露したのはハーフコートのディフェンスだ。オーバーエイジを擁するラインナップの相手に対し、1Qはわずか6失点。パスミスでのターンオーバーが3度も繰り返されるなど、カナダは日本のコンタクトの強いディフェンスに翻弄された。

強いボールプレッシャーへの好守備で流れを引き寄せた

日本はオフェンスではなかなかフィニッシュが決まらなかったものの、ゲームキャプテン谷口拓磨(2.0)が得意のカットインで連続得点。終盤には岩田晋作(4.5)にも連続得点が生まれ、最後は有吉奏太(2.0)が代名詞でもある3ポイントシュート。日本は12-6とリードした。

 

続く2Qでは1点差に迫られたものの、3Qは再び攻防にわたって主導権を握り、43-34。4Qも互角に渡り合い、57-48で見事に勝利を収めた。これは単なる1勝ではなく、チームが今大会の最大の目標としていたものでもあった。

 

1週間後に迎える男子U23AOCでは、男子U23世界選手権への出場権が与えられる上位3チームに入ることが最大のミッションとなる。強敵と予想されるオーストラリア、イランと並ぶために、日本が絶対に負けられない相手とされるのが開催国タイ。そのタイと、日本は初戦で対戦するのだ。

 

だからこそ、前哨戦とされた北九州CCでの初戦は結果が重要な意味を持っていた。その初戦で日本は最高の内容で勝ち切ったのだ。チームにとって大きな自信となったことは間違いない。それは試合後の中井健豪ヘッドコーチの言葉からも明らかだ。

 

「チームにとってベストのゲームができたと思います。前半はなかなか点差が離れないタフな展開のなか、最後にはしっかりと離しきったというところも含めて、本当に力がついてきたなと実感しました」

 

渡辺と小山が練習の成果を発揮し、大きく前進!

初戦を終えて6時間後に行われた2試合目、スペインとの第1戦は出だしから主導権を握られたのが最後まで大きく響き、44-68で敗れた。だが、この試合で本領を発揮した選手がいた。渡辺将斗(4.0)だ。1Q途中から出場した渡辺は、2Qではスタートから起用され、10分間で9得点を叩き出した。

持ち前の走力とアタックの強さで得点を重ねた渡辺将斗

実は初戦は無得点に終わっていた。それでも「変わることなく、できることをやり続けた」と渡辺。トランジションからのファーストアタックやペイントアタックと、初戦からやるべきことをやり続けていた。スペイン戦での活躍は、まさに彼が座右の銘とする「継続は力なり」の成果だった。

 

また大会2日目、カナダとの第2戦では、小山大斗(3.5)が覚醒した。1Qの後半に投入された小山は、最初の1本目こそリングに嫌われたものの、2本目から4本連続でシュートを決め、さらにフリースローも入れて4分間で9得点。2Qに入っても勢いは止まらず、終盤に交代するまで6得点。1、2Qをあわせたフィールドゴール成功率は、78%を誇った。

「誰よりも練習してきた」という自信を持ってプレーした小山大斗

「悔しい思いなら自分が一番してきた」という言葉通り、これまで小山の前には茨の道が続いてきた。前回、2022年の男子U23日本代表はU23世界選手権で金メダルに輝いた。しかし小山は選考から漏れ、代表にはなれなかった。さらに昨年の北九州CCではプレータイムは数分に限られ、まったく持ち味を発揮することができなかったのだ。

 

そして今大会も初日は2試合ともに無得点に終わり、プレータイムもなかなかもらえなかった。そこで小山はホテルに戻った後、部屋でその日の自分を振り返り、気持ちを立て直したという。

 

「初日はプレータイムを意識しすぎて、自分のプレーができなかったなと。それで今日はプレータイムのことは忘れて、ダメだったら交代でもいいやくらいの気持ちでいこうと思ったんです」

 

さらに「いつも通りのプレーを心がけた」という小山。その背景には、土子大輔アシスタントコーチからのアドバイスがあった。

 

「初日はシュートを決めなくちゃという気持ちが強かったのですが、アップ前に土子コーチに“ふだんクラブチームで試合をしていると思ってプレーしたらいいんじゃない?”と言ってもらえたんです。そのおかげで肩に力を入れずにシュートを打つことができました」

 

小山にとって、この試合が大きなターニングポイントとなるに違いない。

 

それぞれの選手が見せた成長の跡

またチームとしても、カナダとの2試合目は大きな経験となっただろう。前述の通り、小山の活躍もあり、日本は2Qを終えて31-18と大きくリードして試合を折り返した。しかし、後半にカナダの逆襲にあい、結果は46-59と逆転負け。試合後には涙を見せる選手もいたほど、悔しい一戦となった。

 

しかし、この敗戦はチームにとってはプラス材料だ。どれだけリードをしていてもゲーム終了のブザーが鳴るまで、絶対に気持ちの緩みは禁物だということを、彼らは若くして、そして本番前に知ることができたのだ。U23AOCで、この敗戦を生かす手はない。

 

結局、大会最終日のスペインとの2試合目を35-53で敗れた日本は、決勝進出することはできなかった。それでも本番前にオーバーエイジを主軸とした2カ国と、想定以上に強度の高いゲームができたこと、さらにはダブルヘッダーというスケジュールを経験できたことなど、日本にとってはこれ以上ない実戦の場となった。

 

そして何より結束力が高まり、自信と信頼を手にしたチームの雰囲気は、今とてもいい状態にある。そのチームを先頭でけん引しているのが、岩田と谷口だ。

 

岩田は大黒柱の役割を果たし、カナダ戦では28得点、16得点とチームのトップスコアラーに。加えてほとんどの得点がペイントエリア内だった1年前とは一転、アウトサイドのシュートを高確率に決める選手へと変貌を遂げていた。

U23AOCでも大黒柱としての活躍が期待される岩田晋作

さらに変化は、プレー面だけではない。試合が劣勢の時ほど彼が仲間を鼓舞する声がコート上で響くなど、まさにエースの風格を漂わせた。それは岩田自身の意識が変わり、自覚が芽生えた証でもあった。

 

「先頭でチームを引っ張っていくというのは得意ではないので、最初は大変でした。でも誰かがそういう役割を担わないとチームが良くなっていかないなと。みんなに声をかけることによってチームとしてまとまりも出てきましたし、自分のパフォーマンスにも繋がっていると感じています」

 

そしてゲームキャプテンを務める谷口は、4試合中3試合を40分フル出場と代えのきかない選手として奮闘。3日間で4試合と疲労は蓄積していたはずだが、最終戦も40分間、闘争心あふれたプレーでチームをけん引し続けた。

チームからの信頼も厚いゲームキャプテンの谷口拓磨

そしてもう一人、今大会で躍進を遂げたのが、中村凌(1.5)だ。ローポインターが少ない今回のメンバーにはクラス1.0は不在で、1.5も中村ただ一人だ。そのため中村のプレーがチームに及ぼす影響は少なくない。

 

その中村がどんなプレーを見せるのか、今大会の注目ポイントの一つでもあったなか、彼はしっかりと自分の仕事をこなした。なかでも光っていたのが、ディフェンスだ。高さとパワーのある海外勢相手にもまったく動じることなく、中村はコンタクトの強いディフェンスを見せた。

初の国際大会で自分の仕事をやり遂げた中村凌

中村がボールを持つ時間はほとんどなく、全4試合で得点はゼロと、決して目立つ存在ではない。だが、彼の献身的なプレーがチームメイトの活躍の裏にはあり、不可欠な一人だ。

 

こうして北九州CCで大きく成長を遂げ、経験値を上げた男子U23日本代表。本番の舞台となるU23AOCは、17日に開幕する。まずは18日、地元タイとの初戦で白星発進できるかがカギを握る。最終目標の切符獲得は、その勝利の先にあるはずだ。

写真・ 文/斎藤寿子

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