スポーツをテクノロジーとアイデアの力で発展させるプロジェクト『SPORTS CHANGE MAKERS』の8月の最終プレゼンテーションに向けて、プレイベントが2021年3月9日(火)、パナソニックセンター東京にて開催された。このイベントは、現実とリアルをつなぐ新テクノロジー「Mirror Field / ミラーフィールド」によって、バーチャル空間から参加することもできた。
『SPORTS CHANGE MAKERS』は国際オリンピック委員会と国際パラリンピック委員会の協力を得て、パナソニックが主催するコンペティション。2019年にスタートし日本、中国、フランス、アメリカの4か国の学生から“GOING BEYOND BARRIERS”をテーマに、彼らが感じている「壁」を映像や音響の技術を使って乗り越えるアイデアを募集。予選を勝ち抜いた4組の学生たちが、最終的なプレゼンテーションを行うというプロジェクトだ。
このプロジェクトを牽引するパナソニック ブランド戦略本部 オリンピック・パラリンピック課の福田泰寛さんは「オリンピック・パラリンピックはスポーツを通して、夢と感動を与え、暮らしと社会をよりよく元気なものにしてくれます。パナソニックは映像音響の技術でこの祭典をサポートし、これからの社会を支える若い世代とスポーツを拡張するようなアイデアを生み出し、イノベーションによってよりよい社会の実現に貢献していきたい」と語った。
『SPORTS CHANGE MAKERS』で提案された技術やイノベーションは、最終的には、将来大会に向けての実用化が検討されていくという。今回が第1回となるこのプロジェクトへの期待は大きく、国際オリンピック委員会・国際パラリンピック委員会からもビデオメッセージによって感謝と賛辞が寄せられた。
今回のプレイベントでは「壁を超える」という課題へのひとつの答えとして、リアルとバーチャルが融合した仮想空間「Mirror Field」がお披露目された。プロジェクトのテクニカルディレクターを務める北島ハリーさんがこの新しいプラットフォームを解説。
「現実世界とバーチャル空間、2つのアドレスを結びつけることで双方が重なりあい、リアルの参加者とオンラインの参加者がお互いに隣にいるように感じられるのが、今までのバーチャルフィールドとの大きな違いです。8月の最終プレゼンテーションでは、たとえばプレゼンターがライトを点けてと指示すれば、現実とバーチャルで同時にライトが灯るというような連動もできるようになると思います」(北島さん)
コロナ禍での各種イベントにおいて、臨場感を持った体験をオンラインでどう提供していくかは、大きな課題だった。リアル会場側は、タブレットを通してオンラインの参加者を認識することができるので士気が高まる。「リアルとバーチャルの壁を超えた新しい世界」の可能性を示唆する「Mirror Field」。近未来を実現するクリエイティブ集団として名高い1→10(ワントゥーテン)の北島ハリーさんがディレクターということもあり、今後の進化が楽しみだ。
【SPORTS CHANGE MAKERS】
https://www.panasonic.com/global/olympic/ja/sportschangemakers.html
Composition & Text:Hisami Kotakemori