最後に『SPORTS CHANGE MAKERS』の各国代表チームから、8月の大会に向けての抱負が紹介された。日本代表のみ横瀬さんひとりだが、ほかはすべて3人のチーム。各国代表が設定したバリアとターゲットを下記に紹介する。
中国代表
バリア「異文化コミュニケーションの不足」
ターゲット「開催国の人と交流し文化を経験したい旅行客」「海外の人々と交流をしたい開催国の人々」
ヨーロッパ代表
バリア「視聴者・観客の競技の理解不足による視聴数やエンゲージメントの減少」
ターゲット「デジタルやストリーミングでのスポーツ観戦者(ルールの知識が乏しいため楽しめない)」
アメリカ代表
バリア「身体障がい者の人々は、スポーツ観戦に抵抗を感じている」
ターゲット「聴覚障がい者(ろうや難聴すべて対象)」
日本代表
バリア「目で見るだけでなく体験することで、よりスポーツのすばらしさを感じることができる」
ターゲット「子どもたち」
横瀬さんは子ども時代にサッカーをしていた思い出を披露し、「スポーツで得た経験は10年以上たっても美しい記憶として残っています。今を生きる子どもたちにスポーツを楽しむ機会をつくり、それがかけがえのない記憶に残っていくような経験をしてほしい」と思いを語った。具体的にどのようなテクノロジーを使うのかは、各チームともまだベールに包まれている。
この大会は本来2020年8月に開催される予定だったが、コロナ禍で延期を余儀なくされた。これを「よりよいアイデアにする時間ができた」と前向きにとらえ、モチベーションをキープしてきたという。その成果でもあるMirror Fieldによって、来日できない外国の代表チームの家族や仲間がオンラインで応援することも実現できそうだ。
今回のMirror Fieldのような革新的なテクノロジーが生み出される『SPORTS CHANGE MAKERS』。「コロナ禍が終息しても、リモートの世界は続いていくだろうし、子どものスポーツの応援なども“リアル応援””リモート応援“のようなオプションが増えていきますよね」と小谷さんがコメントしたように、8月23日の最終プレゼンテーションで発表される技術が、また私たちのスポーツの楽しみ方を広げてくれることは間違いない。
【SPORTS CHANGE MAKERS】
https://www.panasonic.com/global/olympic/ja/sportschangemakers.html
Composition & Text:Hisami Kotakemori